DebtNet通信 (vol.1 #30)  
国際エイズデイについて
2001年7月8日


国際エイズ・デイについて

6月23日、途上国の債務と貧困ネットワークが主催した国連エイズ総会に向けての「アフリカのエイズと債務」集会において、外務大臣宛の申し入れ書を採択し、即刻外務省国連行政課に送った。これを受け取った担当の専門機関行政室の遠藤和巳室長は翌日、Debt Netの申し入れ書を携えてニューヨークに出発した。日本政府代表団にとっては、NGOからの提言書としては唯一の文書となった。

1) ニューヨークで、2,500人のデモ

6月23日、ニューヨークにおいて、Global Aids Alliance(GAA)の主催で、2,500人が、
アフリカのエイズ対策のために先進国が資金を拠出することを要求してデモをした。デモはグリニッチ・ビレッジ公園から40ブロック先のブライアント公園まで行進した。

2) 6月28日、国連エイズ総会は「コミットメント宣言」を採択した。英文の全文が必要な方はkitazawa@jca.apc.orgまで請求下さい。

GAAは記者会見を行い、@積極的に評価できる、Aしかし市民社会、とくにアフリカなどのNGOが宣言の議論のプロセスに参加できなかったこと、B先進国の基金に対するコミットメントが弱い、などについて批判した。

例えば、米国の2001会計年度では、対外エイズ援助額は4億3,900万ドルであった。
うち半分がアフリカ向けであった。

2002会計年度は、4億4,600万ドルの予算案に対して議会は4億1,500万ドルを承認した。これに加えて、「基金」に2億ドルを拠出するという案に対して、議会は1億ドルを承認した。

国連エイズ総会にオブザーバーとして参加したNGOコーカスは、声明を出し、宣言文の起草から国連エイズ総会の議論にアフリカの市民社会の参加がミニマムにとどまったこと、とくにアフリカのNGOがニューヨークへのビザを米国当局によって拒否されたことに強く抗議した。

声明文の内容については、私たちが日本政府に出した要望書とほぼ同じである。NGO声明の全文を入用な方は、北沢まで請求下さい。

3) 国連エイズ総会において、ノルウエイが1億1,000万ドル

              スエーデンが  6,000万ドル
              英国が   2億ドル
              カナダが    7,300万ドル
              ナイジェリアが 1,000万ドル
              ウガンダが    200万ドル
              ジンバウエが   100万ドル
              ケニアが        7,000ドル

を「グローバル・エイズ保健基金」に拠出することを公約した。
米議会は、同基金に対して、13億ドルの拠出金を承認した。


4) ヒラリー・クリントン上院議員の発言

国連エイズ総会に際して、米国議会において、ヒラリー・クリントン上院議員が、債務救済をHIV/エイズ対策とリンクさせるよう呼びかけた。

―HIV/エイズ感染者の多い国について、より大きな債務救済を実施する。
―IMF・世銀のHIPCsイニシアティブによる貧困削減戦略ペーパーの作成に米国政府が技術援助を行うこと。
―債務帳消しによって浮いた資金の多くをHIV/エイズ対策に充当すること。
―米国政府はIMF・世銀が債務帳消しにおいて、初等教育、保健、HIV/エイズ治療を受益者負担にするプログラムに反対すること。
―米国政府は、「グローバル・エイズ保健基金」を支援すること。

註;クリントン上院議員は保健・教育・労働・年金委員会のメンバーである。