DebtNet通信 (vol.1 #28)  
ジェノバ関連情報
2001年6月5日


途上国の債務と貧困ネットワークの皆様、

6月7〜18日、私は、スコットランドで開かれますAlliance for a Responsible, Plural and United World という長い名のプロジェクトの会議に参加するために、日本を留守にいたします。6月23日勉強会の準備のお手伝いが出来ないことをお詫びします。

1)英国のDrop the Debt Campaign (旧Jubilee2000のジェノバ動員キャンペーン)から6月1日付けで緊急アピールがあった。

7月21日、ジェノバ市内でデモを行う。これはバーミンガム、ケルンを凌ぐものでなければならない。これまでのところ、イタリア、およびその周辺諸国からの債務帳消しデモの参加者数は不明である。したがって、英国からの参加が必要である。

英国から参加する方法として、バスと飛行機の2つのルートが準備されている。

(1) バス・ツアー
―途中で宿泊しないツアー:
7月19日ロンドン出発、22日にジェノバを発ち、23日ロンドン着 
1人当たり149ポンド、シングル使用35ポンド増し、ジェノバに2泊朝食つき
―途中1泊のツアー:
7月19日ロンドン出発、22日ジェノバ発、23日ロンドン着、
1人当たり199ポンド、シングル使用59ポンド増し、フランス2泊、ジェノバ2泊
いずれも朝食つき
(2) 飛行機ツアー:
―7月20日ロンドン発、22日ロンドン着
1人当たり325ポンド、シングル使用39ポンド増し ミラノ2泊朝食つき
 以上、日本からロンドンに行き、このツアーに参加することも可能。疲れるけど、バスツアーは魅力ですし、旅の間、英国人と話ができる。有利は点は、2〜3星とはいえ、ジェノバのホテルが確保されていることであろう。
英国Jubileeは、交渉の対象をブッシュ大統領とブレア首相、イタリアのベルスコーニ新首相に絞っている。

2)Thomas Dawson IMF対外関係部長からの返事
 Drop the Debtの申し入れ書に対して、IMFから以下のような内容の返事が届いた。
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(1) HIPCsのIMF債務を100%帳消しにすること
 出来ない。なぜなら、IMFは協同組合組織なので、加盟国を平等に扱う義務がある。HIPCsをデザインしたとき、債務救済を受けられる明確な基準を策定した。これは、加盟国すべてに適用される。重債務最貧国だけが優遇措置を受けることは許されない。

(2) 金を売却して、債務帳消しに充てる
 出来ない。IMFはドナー国が、余分な醵金をしない限り、帳消しの資金はない。1999年の金売却は、例外措置であって、今後は繰り返さない。金がIMFの資金力の基礎である限り、これ以上の売却はできない。債務帳消しは、貧困削減成長基金による将来の融資を不可能にするばかりでなく、IMFの金融制度を脅かす。

(3) 紛争国の債務返済金を信託基金に入れ、紛争後、返却する。
出来ない。IMF・世銀の春季会議では、紛争以後の国の債務削減のための信託基金の設置を採択した。しかし、紛争国は今日、債務返済を行っていないので、Drop the Debtの提案は的外れである。

(4) HIPCsのリストの拡大
出来ない。なぜなら資金がない。ドナー国にこれ以上の醵金の意思がない。国際開発援助金は減っている。今日、必要なことは、債務帳消しではなく、エイズなど緊急の援助に集中することである。
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このIMFの返事は、Jubileeキャンペーンだけでなく、エイズ・キャンペーン、あるいはよりラジカルな反グローバリゼーション派を怒らせた。このIMFの対外関係部長の手紙は、今、あらゆるインターネット通信に掲載され、世界中を駆け巡っている。