DebtNet通信 (vol.1 #15)  
ガーナがHIPCイニシアティブの再審要請
アフリカ10カ国債務報告
2001年4月12日


1)英国の3つのJubilee組織からの連絡事項

(1)Jubilee Plus(Ann Pettiforが代表)は、4月20〜24日、マリのバマコでJubileeの国際会議を開く。主催団体はマリのJubilee2000 Coalition。日本のDebtNetにも招待状がきている。

(2)Drop the Debt(ジェノバまでのキャンペーン組織)は、4月26日からはじまるIMF・世銀の春季会議に向けて、ロンドンのイタリア大使館と米国大使館に対して、4月12日(火)午後1時、デモと要請を行い、19日(火)、26日(火)と連続して行う。大使館に2本の紐を手渡す。これは、G7がIMF・世銀を紐で操っていると言うことを象徴している。

ジェノバ・サミットでは、7月21日に、ジェノバの「道路を埋める」行動計画している。そのため、英国では、バスと飛行機のパッケージ・ツアーを募集している。
7月15〜21日を国際債務行動ウイークとして呼びかけている。

(3)British Jubilee Debt Coalition(1と2を除いた残りのメンバーで構成)が再組織された。新しいWebsite<www.jubileedebtcoalition.org.uk>

2)ローマとジェノバの社会運動連合は、7月20日に、ジェノバで「反グローバリゼーション」のデモを企画。
7月20〜22日、ジェノバで、「もう1つの世界は可能だ」をテーマに「ジェノバ社会フォーラム」を開く。連絡先は;<genoasocialforum@libero.it>

3)ガーナがHIPCsの再承認を要請

ガーナの新しいKufuor大統領は、IMF・世銀に対して、HIPCsの対象国に再承認するよう要請した。これまでガーナは日本政府の圧力で、円借款や世銀の開発融資を受けられないことを恐れて、HIPCsの資格、つまり債務帳消しを辞退してきた。今回、政権交代により、新大統領が、債務帳消しを要請したことになる。

4)世銀のアフリカ10カ国レポート

3月、世銀はアフリカに対する10年間の援助の効果についての調査結果を発表した。世銀の報告書は、「融資の付けていた多くの条件項目を廃止すべきだ」と結論付けている。これは、「援助する側はお金で被援助国を変える事ができない」ということを意味している。調査対象の10カ国の内、ウガンダとガーナは持続した成長を達成しており、エチオピアと象牙海岸の2カ国は改善の兆しを見せている。残りの民主コンゴ、ケニア、マリ、ナイジェリア、タンザニア、ザンビアは、融資を受けた後に、経済が後退している。

また3月にはウオルフォンセン世銀総裁がアフリカを歴訪し、22カ国の国家元首と会合した。帰国後、彼は、「アフリカが、有効な社会的、経済的政策を打ち出し、改革の意欲を燃やし始めたとき、援助が減っていることは痛いことだ」と述べた。

また、エイズ対策として、世銀は、アフリカ諸国に、年間5億ドルの低利の融資を行い、やがて10億ドルに増やすと述べた。しかし、アフリカがエイズ対策として必要としているのは、ローンではなく、グラントである。

5)世銀の構造調整融資

2月、世銀は、悪名高い「構造調整融資」を「貧困削減支援クレジット」と「開発支援融資」に改名した。同時に、過去3年間、世銀の融資総額における構造調整融資の比率を25%の上限としてきた実施政策(Operational Policy)を改悪し、25%の制限を取り払った。というのは、IDA融資を急増させるには、構造調整融資を増やすのが最も手っ取り早い方法であるからである。2001年にはIDA融資は、23億ドルであり、2002年には、32億ドルに増加する。この増加分の大部分は、アフリカの最貧国に向けられる。

6)米議会に、「アフリカの飢えを減らす決議法案」

4月2日、米下院に、LeachとPayne議員が、「サハラ以南のアフリカの飢えを減らす法案」を提出した。 これは、来る10年間、米国の対アフリカ援助政策の指針となる。米国の投資額は150億ドルにのぼっており、これは中東や東ヨーロッパを上回っている。

法案には、以下のことが盛られている;
サハラ以南のアフリカの貧困削減とHIV/AIDS対策には、年間40億ドルが必要である。その内、米国は4分の1に当る、10億ドルを援助すべきである。これは、米国民1人当り年間1ペニイの支出である。2国間、多国間の債務削減が必要である。