<声明>
長崎県における教科書採択の結果について
2001年8月28日
ながさき・子どもと教科書ネット21
(代表:齋藤武男)
長崎県において2002年度より使用される教科書採択の結果が、8月15日に県教委学校教育課より発表されました。私たちが不採択を要請してきた「新しい歴史教科書をつくる会」=扶桑社の中学校社会科(歴史・公民)の教科書が、どの地区においても採択されなかったこと、県立養護学校などでも採択されなかったことは、扶桑社教科書不採択の世論を受け、教育委員各位の良識が示されたものと受け止めています。
しかし今回、現場教職員の声が教科書採択に反映されにくくなりました。文部科学省および県教育委員会によって行われた教科書採択制度の変更は、「改悪」と受け止めるべきであり、今後民主的な教科書採択制度の実現をめざしていかねばならないと考えています。そのために私たちは、これから早急に長崎県各地区における教科書採択について、現場教職員の意見がどのように反映されているか、教科書採択の過程が公正であったのかなどについて、情報公開を求め、また公開された情報を元に検証していくつもりです。
また私たちは、これまでの「質問および要請書」や「教科書採択についての緊急声明」において訴えてきたように、「教科書の採択権者は教育委員会であるという見解は、行政解釈に過ぎず、明確な法的根拠は存在しない」、したがって現場教職員の教育権として教科書の採択権を位置づけるべきであることを引き続き訴えていきたいと考えます。はからずも、栃木県において再審議が行われるに至った経緯や、東京都と愛媛県の教育委員会が養護学校などについて扶桑社の教科書を採択したことは、第一に教育委員会の政治的思惑によって強引に行われたことであること、第二に採択の際に「教育委員会が採択権者である」という行政の主張が、言い換えれば「教育委員会の独断で教科書を採択する可能性もある」という、私たちの危惧したことが実際に証明された形となったからです。
一方、「新しい歴史教科書をつくる会」は、3年後の小学校社会および国語への参入、中学校の4年後の採択に向けての「リベンジ」を表明しています。今回の教科書問題は、きわめて政治的な意図のもとに新旧保守勢力が結びついた形で起こったことですから、このことについて人々に事実を伝えるとともに、私たちも今後に向け、日本国憲法・教育基本法の精神を守り貫くための学習や活動を具体化し、力をつけていきたいと思います。とりわけ、県内でも大きく高まった教科書に対する関心をいっそう発展させ、さまざまな市民組織や団体・個人と連帯しながら、平和と民主主義を守り育てる教育を実現するための活動を続けていきます。
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