長崎県教育委員会への質問・回答の関連資料
1.「教科書採択方法の改善について」2001年4月27日付
6月22日に回答をうけとった際に、県教育委員会よりいただきました。これ以前にこうした通知が出されていることは報道関係も含めて知られていました。当日いただきましたものをテキスト化したもので、強調や下線部は当方の作業によります。人名は省略しました。
13教学第147号
平成13年4月27日
各市町村教育委員会教育長 様
長崎県教育委員会教育長 (省略 )
教科書採択方法の改善について(通知)
教科書の採択は,教科書が教科の主たる教材として学校教育において重要な役割を果たしていることから,綿密な調査研究に基づき適正かつ公正に行われる必要があります。
つきましては,新学習指導要領(平成10年12月告示)に基づく平成14年度使用教科書の採択に当たり,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号に定められた,教科書の「採択権者」としての立場と責任を十分に自覚し,下記の諸点に沿って教科書採択方法の改善が図られるようお願いします。
記
1 専門的な教科書研究の充実
(1)教科書の採択に当たっては,新学習指導要領の目標や内容等を踏まえた,専門的な調査研究に基づいて行うこと。
(2)各採択地区協議会等が作成する「採択のための調査研究資料」等は,全ての教科書を対象に新学習指導要領の目標や内容等に即して,各教科書の特長が簡潔・明瞭にわかるようなものにし,「より参考になるもの」にすること。
2 適正かつ公正な採択の確保
(1)各教育委員会は,教職員の意見を参考とすることは大切であるが,教職員の投票によって採択教科書が決定されることのないよう,採択権者としての権限と責任において,採択手続きの適正化を図ること。
(2)採択に当たっては,各採択地区協議会等に設置する下部機関が教科書の候補を限定する,いわゆる「絞り込み」がないよう,全ての教科書を調査選定の対象とすること。
(3)共同採択においても,各教育委員会は,採択のための調査研究資料等だけでなく,全ての教科書を直接点検するなど,あくまでも最終採択権者としての権限と責任のもとに主体的に対応すること。
(4)選定委員会委員や調査員等の人選に当たっては,公正中立でかつ専門的な知識や識見を有するなど,教科書採択の業務に関与するのにふさわしい者を十分に見極めて,委嘱,任命すること。
3 開かれた採択の推進
(1)各採択地区においては,より広い視野からの意見を反映させるとともに,開かれた採択を一層推進する観点から,採択地区協議会等へ保護者代表等を加えること。
(2)各採択地区においては,採択後は速やかに採択結果及び採択理由,採択に携わった委員名等,採択のための調査研究資料,会議の議事録等を公表するなど,透明性の確保を図ること。
(3)各教育委員会においては,教科書展示会の開催時期,場所等を所管の広報紙,PTAだより,各種報道等を活用して積極的に周知する措置をとること。
その際,展示会開催の意義・目的,教科書採択の仕組み等についても併せて周知を図ること。
(4)各教育委員会は,調査研究のために使用した後の教科書については,図書館,公民館等において展示するなど,広く一般に利用できるような措置をとること。
4 その他
各教育委員会は,採択に関する規約等を改めて点検し,改善の趣旨にそぐわない恐れのある場合は,速やかに改正するなど,採択手続きの適正化を図ること。
2質疑応答の内容とも関連した文部省の通知など
平成9年9月11日の教科書採択の改善について(通知)
http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/archive/saitaku-tsuchi2.html
別添2の
行政改革委員会「規制緩和の推進に関する意見(第2次)」(1996<平成8>年12月16日) http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/archive/saitaku-tsuchi.html
文部省のページでは見つけきれませんでしたので、教科書情報資料センターのページのなかのものです。 たとえば、この1996年の資料では、次の記述があります。
「現在においても、私立の小・中学校においては、各学校の教育課程に合わせて学校
単位で採択が行われている。公立学校においても学校単位で自らの教育課程に合わせ
て教科書を採択する意義をより重視すべきであり、将来的には学校単位の採択の実現
に向けて検討していく必要がある。
このような観点に立って、当面、現在の共同採択制度においても、教科書の採択の 調査研究に当たる教員の数が増えるのは望ましく、各地域の実状に応じつつ、現在3
郡市程度が平均となっている採択地区の小規模化や採択方法の工夫改善を図るべきで
ある。」
1990<平成2>年3月20日の教科書採択の在り方の改善について(通知)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/kaizen.htm
教科書採択の在り方について(報告)という教科書採択の在り方に関する調査研究協力者会議の3月6日の報告には、以下のようにあります。
「(2) 採択は,採択権者が自らの権限と責任において,適正かつ公正に行う必要がある。こ のことは,教科書に対する国民の信頼を確保するためにも,極めて重要なことである。 このため,教科書発行者の適当な宣伝行為等の外部からの影響に採択結果が左右され ることのないよう,採択における公正確保の徹底を図るための措置を講ずる必要があ る。また,教職員の投票によって採択教科書が決定される等採択権者の責任が不明確 になることのないよう,採択手続の適正化を図ることも重要である。」
といったところが参考にされているようです。
3.2001年度使用中学校教科書採択結果
(2001年度現在使用中、2000年度採択分)
採択区としては 県内を 11の地区にわけていいます。そこで、昨年度採択されている中学校の教科書は以下のとおりです。ここでは社会科のみ掲示しています。他は、出典である昨2000年度の県教委だより421号(2000年9月)をご覧ください。教科用図書選定審議会の委員の氏名なども掲載されています。
日書は日本書籍、教出は教育出版、大書は大阪書籍、日文は日本文教、東書は東京書籍、
帝国は帝国書院 の略です。
| 採択区 / 科目 |
地 理 |
歴 史 |
公 民 |
地 図 |
| 長崎市 |
日 書 |
日 書 |
日 書 |
東 書 |
| 佐世保市 |
日 書 |
日 書 |
日 書 |
帝 国 |
| 大村市 |
日 書 |
日 書 |
日 書 |
帝 国 |
| 諫早市・北高来郡 |
教 出 |
教 出 |
教 出 |
帝 国 |
| 島原市・南高来郡 |
教 出 |
教 出 |
教 出 |
帝 国 |
| 県北 |
教 出 |
教 出 |
教 出 |
帝 国 |
| 西彼杵 |
大 書 |
大 書 |
大 書 |
帝 国 |
| 東彼杵 |
日 書 |
日 書 |
日 書 |
帝 国 |
| 五島 |
日 文 |
日 文 |
日 文 |
帝 国 |
| 壱岐 |
日 書 |
日 書 |
日 書 |
東 書 |
| 対馬 |
東 書 |
東 書 |
東 書 |
帝 国 |
4.「新しい歴史教科書をつくる会」長崎県支部の請願
2000年10月6日県議会本会議にて採択された請願は以下のとおりです。
義務教育社会科教科書の採択に関する請願書
教科用図書の採択適正化に関する請願
1.請願の要旨
小、中学校など「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」第10条には、都道府県教育委員会は、当該都道府県の義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択の適正な実施を図るため、(中略)市町村の教育委員並びに国立及び私立の義務教育諸学校の校長の行う採択に関する事務について、適切な指導、助言又は援助を行わなければならない。」と定めてあります。
しかし本県下における小、中学校教科書(中でも社会科、歴史的分野)には明らかに「学習指導要領」の規定から逸脱した記述内容が数多く認められます。
よって今後は、本県教育委員会が「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第23条(教育委員会の職務権限)の6項並びに平成2年3月20日付初等中等教育局長名の通知(教科書採択の在り方の改善について)及び本年8月8日の参議院予算委員会における大島文部大臣の「教科書採択につては、毅然として教育委員会の判断で行うことが当然であるし、間違っても教職員組合の意見によってとか、そういうことがあってはならない。」との発言に鑑み、教科書採択の職務権限を完璧に行使されるよう、貴議会の御意志として要望ご決議を賜りたく、地方自治法第124条の規定により、請願いたします。
2.請願の理由
教育の再建、教科書内容の是正を求める国民の声が次第に大きくなる中で、事態は漸く教科書改善に向けて動き始めました。
現在、文部省に検定申請中の中学校歴史教科書では、これまで歴史的根拠がないと批判されてきた所謂「従軍慰安婦」という用語が全くなくなり、単なる「慰安婦」とか「慰安施設」という記述があるのは全8社中3社のみに激減、これまでの全社が記載していた状況に比較すると大きな変化がみられます。
この様な状態の中で、本県下では依然として旧態が改められた形跡が認められず、教育行政当局の長年にわたる職務怠慢と申さなければなりません。
例えば平成12年度の小学校6年生社会科各社教科書を一読してみますと、その内容に実際とは全く反対のことや事実と相違する記述があり、或いは殊更に自国のことを悪く印象づける様な表現が数多く認められます。
しかも非常に遺憾なことには、「文部省検定済み小学校社会科教科書の通信簿」という客観的且つ具体的調査結果で最悪とされ、その次に悪いと批判された出版社2社の教科書が本県下大多数(国立、私立学校を除く11地区中9地区)の地域で採択されているという紛れもなく異常というべき現実があります。
今後は絶対にこの様な失態が起きないように、県下市町村教育委員会が教科書採択業務にあたって、各下部機関の「絞り込み」や「学校票方式」を全廃し、調査委員や選定委員等の選任などにあたっては、関連情報を公開することなどにより適正な採択を行うべく、本県教育委員会が厳正に御指導下さることを貴議会にて要望ご決議賜りたく、茲に請願申し上げる次第であります。
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