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3.佐世保でのとりくみ A.6月21日に「教科書問題を考える佐世保市民の会」が提出した要請書 「二十一世紀は、核兵器を廃絶し、平和で、人権が大切にされる時代にしよう」 佐世保市教育委員会 教育委員長 様 教育長 様 教科書採択に関する質問ならびに要請書 佐世保市の教育発展のためのご努力に敬意を表します。 さて、2002年度から使用される検定に合格した教科書のなかに、「新しい歴史教科 書をつくる会」が企画・執筆した扶桑社の中学校社会科歴史・公民分野の教科書が含 まれています。「新しい歴史教科書をつくる会」は、上記の教科書について10パーセ ントの採択を目指すと宣言し、さまざまな活動を行っています。 「新しい歴史教科書をつくる会」の教科書の内容は、平和と民主主義をうたう日本国 憲法・教育基本法の精神に反しています。またさらにかつての戦争の記述をめぐって、 韓国・中国を中心に各国から抗議が寄せられ、国際問題に発展しています。国際協調 の潮流にふさわしくない、このような教科書を子どもたちの手に渡すことは到底でき ません。 そこで、2002年度より佐世保市で使用される教科書の採択について、以下の通り質問 および要請をいたします。 質問事項については、7月9日までに文書でお答え下さるよう、お願いいたします。 【質問事項】 1.教科書採択方法の変更に当たって、佐世保市教育委員会は長崎県教育委員会か らどのような指導を受けたのでしょうか。 2.教科書採択手続きに関わる規則などの変更について、その内容を明らかにして ください。 3.「新しい歴史教科書をつくる会」は、「地方教育行政の組織および運営に関す る法律」第23条6号および「教科書の発行に関する臨時措置法」第7条第1項を理由 に、教科書の採択権は、現場の教師にはなく教育委員会にあると主張しています。 「地教行法」には教科書の取り扱いに関する教育委員会の事務が、「臨時措置法」に は教科書需要数の報告義務が定められているのみであり、これらを根拠に「教育委員 会の採択権」を主張することには、明確な法的根拠はないというのが、教育法学にお ける通説です。教科書の選定は、各学校の教育課程編成および教師の授業内容編成に 深く関わる事柄です。教育条理から考えて、教材である教科書の選定権は、教育の内 的事項として、現場の教職員の意見がとりいれられるべきであり、教師の教育権に属 すると解するのが妥当です。したがって、「新しい歴史教科書をつくる会」の、教育 委員がすべての教科書の採択を決定すべきだという主張は、教育の条理を理解しない 一方的な見解であると考えられます。「現場の教師には教科書を選ぶ権限がない」と 断定している「新しい歴史教科書をつくる会」の主張についての、佐世保市教育委員 会の見解とその根拠を示してください。 4.教科書の採択に当たって、現場の教員の意見を反映させる仕組みは、現在どう なっているのでしょうか。 5.保護者、地域住民の意見を反映させる機会や仕組みはどうなっているのでしょ うか。 6. 1997年3月の閣議決定を受けた文部省通知にある「学校単位の採択制度」への移行に ついて、貴教育委員会はどのようにお考えでしょうか。 7.「新しい歴史教科書をつくる会」は、関係者が執筆した『国民の歴史』『国民 の油断』などの書籍を、各地の教育委員や学校・教師などに大量に無料送付していま す。また『新しい歴史教科書』(扶桑社発行)を採択以前に市販しています。これら の行為は、教科書採択の公正確保に反する重大な問題だと思われますが、貴教育委員 会はどのようにお考えでしょうか。 【要請事項】 1.佐世保市において、扶桑社の中学校歴史教科書・公民教科書が採択されないよ うにしてください。 理由 1)学校教育は、日本国憲法・教育基本法の趣旨に基づいて行われるべきことが、定 められています。それにもかかわらず、扶桑社の歴史教科書・公民教科書は、「大日 本帝国憲法」や「教育勅語」を賛美し、戦争を美化しているなど、両教科書ともに主 権在民・平和主義・民主主義をうたう日本国憲法および教育基本法の精神を否定する 内容であります。 2)歴史教科書については、検定通過後において近現代史部分だけでも51カ所もの誤 りや問題点が、近現代史の専門家によって指摘されています。また、他の部分につい ても、独善的民族主義の主張のために都合の良い学説だけを取り出す、あるいは通説 を無視する、感情に訴えるような表現が多用されるなど、バランスを欠いた恣意的な 記述が目に付きます。したがって、子どもたちに史実を伝えるべき歴史の教材として きわめて不適切であります。 3)扶桑社の教科書の記述は、韓国や中国を中心とした諸外国から批判され、記述の 変更を求められています。このことは、同社の教科書に、歴史観・世界観における問 題があることの証左です。「我が国の国土と歴史に対する理解と愛情」など学習指導 要領の断片のみを基準とした独善的な歴史観で記述された教科書で学ぶことは、日本 を国際的な孤立にみちびくことになりま す。国際・外交問題にまで発展している問題のある教科書によって、教育が行われる べきではありません。 長崎県・佐世保市は、地理的・歴史的にも、韓国・中国とは密接な関係を持っていま す。現在、長崎県は福建省、佐世保市は厦門市との友好を進めています。また両国と は、観光や修学旅行など双方の交流も盛んです。長崎県はまた、「長期総合計画」の 事業計画の1つとして「中国及び韓国等との交流の促進」を定めております。 また、長崎県・佐世保市は、核兵器の廃絶や平和への祈りを世界へ発信していく立場 にあるはずです。 このような状況にある長崎県・佐世保市において、扶桑社の教科書を採択することは、 韓国・中国をはじめとする世界各国との国際理解・友好の障壁になるであろうと考え られます。 4)「新しい歴史教科書をつくる会」の関係者は、中学生の発達段階にそぐわないこ となどを理由に「従軍慰安婦」記述の削除を求める運動を展開していました。このこ とは、歴史的事実の隠蔽・不当な女性蔑視の表れに他なりません。また、扶桑社の教 科書は、女性の位置づけが低い家族国家観・家父長制の思想に貫かれており、男女共 同参画社会の推進という現在の流れとは 相容れないものです。中学生の発達段階を考えると、価値観・世界観の形成の途上に あり、豊かな人間性と国際性を身につけるためには、扶桑社の教科書は不適切である と考えます。 2.採択に当たっては、学校の教職員の意見が尊重されることを保障してください。 特に、一人ひとりの教職員が勤務時間内に教科書についての調査研究を十分にできる よう、時間や場所その他の条件整備を行ってください。 理由 子どもの実態や学校・地域の実態にあった教科書を選ぶには、現場教職員の調査研究 とその結果を反映させることは、欠かすことができません。1966年に日本も賛成して 採択されたユネスコ・ILOの「教員の地位に関する勧告」61項も教員は「教科書の 採択並びに教育方法の適用にあたって、不可欠の役割を与えられるものとする」とし ています。また、1997年3月28日の閣議決 定は、将来的には学校単位の採択の実現を検討する観点から「教科書採択の調査研究 により多くの教員の意向が反映されるよう」都道府県の取り組みを促しています。今 こそその決定を遵守すべきです。 3.保護者・地域住民の意見が尊重され、教科書研究が十分に行えるよう、見本本 の展示期間の充分な保障、展示場所の増設、市民の行きやすい場所での展示、意見を 聞くための制度の保障を行ってください。また、教科書採択に関わる委員の保護者・ 地域住民への委嘱は、人選の公正を期し、透明化を図ってください。 4.教科書採択の制度や教科書採択の経過についての全面的な情報公開を行ってく ださい。特に、採択方法の変更や規則の変更などについては、教科書採択の終了後で はなく、早急に情報公開を行ってください。 5.上記の要請について、教科書採択の仕事に関わる方々に必ず周知してください。 4長崎県高教組 (6月27日に県内の各市町村の教育委員長及び教育長あてに郵送した要請書) 2001年6月27日(火) 教育委員会 教育委員長 様 教 育 長 様 長崎県高等学校教職員組合 執行委員長 西本 一朗 教科書採択に関する要請書 日頃より教育に関する諸処の分野においてご精励されていることに敬意を表します。 さて、私たち、県内の公立高等学校と障害児学校の教職員で組織する長崎県高等学校教職員組合(略称:長崎高教組)は、6月23日〜24日、第70回定期大会を開きました。 その中で、2002年度から使用される中学校の教科書について熱心な討論が交わされました。ご承知のように、「新しい教科書をつくる会」が作成し、扶桑社より出版された歴史と公民の教科書については、国の内外から大きな批判が起きています。とりわけ、近・現代史の記述には近隣諸国への侵略戦争の肯定、美化が至る所に見られます。 また、大日本帝国憲法や教育勅語を礼賛し、神話や昭和天皇賛美などを通じて偏狭な「愛国心」を育成しようとしています。私たちは、日本とアジア諸国に大きな惨禍をもたらした戦前の国家主義的な教育の復活を心から恐れるものです。 「新しい教科書をつくる会」は、この教科書採択に向けて、各地の教育関係者に西尾幹二会長の著作を無料送付したり、氏の講演会案内を無差別に公立学校長や、社会科教諭宛に送りつけるなど、公正な教科書採択制度を蹂躙する行為を積み重ねています。 私たちは、平和と民主主義を守り、「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを掲げている立場から、貴職に対して下記のことを要請します。 記 (1)2002年度教科書採択については、公正で民主的な採択を貫いてください。 (2)採択にあたっては、教育の主体者である現場教員の意見を十分に尊重してください。 以上 5.大村市でのとりくみ7月6日会見の様子の参加者のメモもありますが、省略しています。お知りになりたい方はご連絡ください。 2001年7月6日 大村市教育委員会 暮らしと福祉・教育を守る大村市実行委員会 実行委員長 扶桑社版中学校社会科教科書の不採択を求める要請 貴職が大村市の教育全般にわたり、職務に精励されていることに敬意を表します。 さて、2002年度から使用される教科書の中に、「新しい歴史教科書をつくる 会」が企画・執筆した扶桑社の中学校社会科歴史・公民分野の教科書が含まれていま す。 その歴史教科書では神話の記述に8ページを割き、しかも史実と混同させる手法を とっているだけでなく、とくに問題が指摘される近現代史では大日本帝国憲法や教育 勅語を賛美し、アジアへの侵略戦争を美化して日本の戦争責任と植民地支配を隠蔽す るなど、歴史を歪曲し、日本国憲法と教育基本法の精神を否定する内容になっていま す。歴史教科書については、近現代史に限っても検定合格後、51箇所もの誤りや問 題点が研究者から指摘されています。また、この教科書の内容には韓国や中国を中心 としたアジア諸国民が激しい怒りを表明し、記述の変更を強く求めているものです。 このような独善的な歴史観で記述された教科書で大村の子供たちが学ぶことになれ ば、子供たちに間違った歴史認識を植え付けることになるのは明らかです。長崎県と 大村市は地理的・歴史的にも韓国・中国と密接な関係にあり、近年これらの国との交 流に努めているだけに、市民相互の国際理解と友好を深める上でも大きな障害をつく ることになります。中学生の価値観・世界観は形成途上にあり、扶桑社のこれらの教 科書は子供たちの発達段階にとってきわめて不適切であると言わなければなりません。 このような教科書を21世紀に生きる子供たちの手に渡すことはできません。 「新しい教科書をつくる会」は、関係者が執筆した「国民の歴史」「国民の油断」 などの書籍を、各地の教育委員や学校・教師に大量に無料送付し、教科書採択の公正 確保に関して重大な介入を行ってきました。また同会は全国の地方議会に「教科書採 択に関する請願」を行い、自民党などの議会の多数を頼んで、採択に際しての学校・ 教員の関与を排除するために採択制度の改変を要求してきました。その際、同会は 「教科書の採択権は教育委員会にある」と主張していますが、その根拠とした「地方 教育行政の組織と運営に関する法律」23条6号は、教科書の「取扱」に関する教育 委員会の事務を、「教科書発行に関する臨時措置法」第7条第1項は「教科書の需要数」を「報告」する義務を定めたものに過ぎません。 このように教科書採択に関する関係法令は、いずれも「教育委員会の採択権」を定 めてはおらず、そればかりか教科の内容も子供の実態もよく理解しているとは思われ ない「教育委員がすべての教科のすべての教科書の採択を決定すべきだ」という主張 こそ、誤りであることは明らかです。 子供の実態や学校・地域の実態にあった教科書を選ぶには、現場教職員の調査研究 とその成果を反映させることが不可欠です。1966年に日本も賛成して採択された ユネスコ・ILOの「教員に地位に関する勧告」61項も、教員は「教科書の採択なら びに教育方法の適用にあたって、不可欠の役割を与えられるものとする」としていま す。 また、1997年3月28日の閣議決定は、将来的には学校単位の採択を検討する 観点から「教科書採択の調査研究に、より多くの教員の意向が反映されるよう」都道 府県の取り組みを促しています。 このような経過と趣旨により、貴職の良識ある判断により、次の事項について格段 のご配慮をいただきますよう要請いたします。 記 1 大村市において、扶桑社の中学校社会科歴史分野および公民分野の教科書が採択 されないよう公正で良識ある判断をしてください。 2 採択にあたっては、学校現場の教員の意見が尊重されるようにしてください。 3 教科書採択にかかわる委員の保護者・地域住民への委嘱については、人選の公正 を期し、透明化を図ってください。 4 教科書採択の制度や教科書採択の経過についての全面的な情報公開を行ってくだ さい。 |
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