原子力規制委員会は再稼働推進委員会・被曝強要委員会!
その257 2022年12月29日
原子力規制委員会はとっくに「規制の虜」
〜推進−規制の秘密会合と原子力規制委員会茶番劇を糾弾〜

山中新委員長が就任直後の10月5日の原子力規制委員会定例会議に資源エネルギー庁(経産省)担当を呼んで仰々しく推進側の意向を聞き、「運転期間延長議論は推進側の法体系で定めるということを規制委として容認」発言をした。そのことを本シリーズその255で指摘した。その後、数回の定例会議を経て「高経年化した発電用原子炉に関する安全規制の検討」案を決定、今パブリックコメントがかけられている。
ところが、これらの会合が始まる2カ月以上前から、資源エネルギー庁担当課長と原子力規制庁担当課長らが7回の非公開面談と多数回の電話会合を非公開で実施し図の資料まで作成していた。それにも拘らず、そのことが原子力規制庁の内部告発で明らかになる12月21日まで隠していた。また9月1日付で経産省(資源エネルギー庁)の職員3人(一人は管理職)を原子力規制庁に併任させていたことも認めながら、非公開面談では「協議、調整、すり合わせ」はしていないと苦しい言い訳。

【原子力規制庁−資源エネルギー庁】秘密会議 
 7/28、8/19、8/22、9/6、9/15、9/22、9/28
【原子力規制委員会定例会議】公開会議
 10/5、11/2。11/16、11/30、12/14、12/21

山中委員長が就任後の定例会議でこの「運転期間延長議論」を6回行ったが、実はその前に事務レベルで秘密会議を続けて方向付けされ、結局原子力規制委員会定例会議の場でその案を追認しただけなのだ。6回の公開会議は単なる茶番劇だったのだ。

この事実は、原子力規制委員会設置法に反する規制委・規制庁の横暴だ。
〇原子力規制委員会の独立性が形骸化
東電福島第一原発事故後、原子力安全・保安院が推進組織である経産省に属していたことを反省して、独立した三条委員会として原子力規制委員会が発足した。それにも拘らず、原子力規制庁が経産省と秘密会合を行っていた。
特に原子力規制委員会設置法の参議院付帯決議で「原子力規制委員会は、原子力を推進する組織はもとより、独立性、中立性を確保するため、関係事業者等の外部関係者との接触等のルールを作り透明化を図ること」が求められていた。それにも拘らず、独立性も中立性も透明化も守られていなかったのだ。
〇透明性の欠如
原子力規制委員会は「透明性の確保」を強調しているが、10月以降の定例会議でも、7月?9月の会合を隠し通していた。
〇炉規法改訂を推進側と協議して国会を無視して決定
規制委が所掌する原子炉等規制法に定められた「原則40年、最長60年」を、推進側と協議して、国会を全く無視して、検討した。
〇原子力規制委員会が原子力規制庁に操られている
原子力規制庁担当が規制委の指示も受けず勝手に経産省担当と秘密面談をした。東電のID不正使用(核物質防護違反)が発覚した折も、原子力規制庁がそのことを原子力規制委員や国民に知らせずに柏崎刈羽原発の審査再開を促した(本シリーズその240)。
今回も、この秘密会議を原子力規制委員会が事前に知らなかったのであれば原子力規制庁担当を処罰するべきだし、事前に聞いていたのであれば原子力規制委員会がメディア・国民を騙していたことになる。

いずれにしても、今回の問題が、原子力規制委員会と原子力規制庁が、「規制の虜」にとらわれていると言うよりも、「原子力ムラ」の為に仕事をしていることを再度明らかにした。(参考)
〇原子力規制委員会委員長定例会見(2022年12月21日、12月28日)
https://www.nra.go.jp/nra/kaiken/chairman_kaiken.html
〇原子力規制庁定例ブリーフィング(2022年12月27日)
https://www.nra.go.jp/nra/kaiken/briefing.html以上