原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その240 2021年2月14日
東電にはイチエフ廃炉をやりきる覚悟も実績も無い! 直ちに柏崎刈羽合格を撤回せよ
〜ID不正使用核セキュリティ問題を原子力規制庁と東電が隠蔽! 廃炉も汚染水対策も賠償も事故原因追及もできない東電〜
 2月10日の更田委員長記者会見が面白い。多くの記者が厳しく更田委員長を追及している。原子力規制委員会委員長定例会見(https://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html)の2月10日速記録又は会見映像をご覧いただきたい。それらから明らかになった事実は次のとおり。

2020年
9月20日 ID不正使用入室発生(認証エラーが発生したのに中央制御室に入室)
9月21日 東電が原子力規制庁に報告
9月23日 原子力規制庁幹部(片山啓次長)に報告
9月23日 規制委定例会議で柏崎刈羽の保安規定を実質的に認可方向付け
10月15日 柏崎刈羽適合性審査(特重など)
12月10日 柏崎刈羽適合性審査(特重など
12月21日 原子力規制委員会と東京電力ホールディングス(株)経営層による意見交換
2021年
1月19日 規制庁から規制委員長に報告

 注目すべきことは、事件発生2日後の9月23日の規制委定例会議で柏崎刈羽の保安規定OKの方向付けがされたこと、12月21日は原子力規制委員会と東電トップの意見交換会が行われていたのにこの問題が隠されていたこと、更に加えると事件直後に問題を聞いていた片山啓次長は元原子力安全・保安院課長でイチエフ事故にも責任があること。
 これらについては、私の本シリーズ(その224:2020年6月3日、その232:2020年9月
29日、その14:2014年8月6日)をご覧いただきたい。
 また、この問題は、炉規法(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律)から見ても重要だ。
<炉規法からのピックアップ
(保安規定)
2 原子力規制委員会は、保安規定が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前項の認可をしてはならない。
一 第三条第一項の指定を受けたところ、第六条第一項の許可を受けたところ又は同条第二項の規定により届け出たところによるものでないこと。
二 核燃料物質による災害の防止上十分でないものであること。
(核物質防護規定)
2 原子力規制委員会は、核物質防護規定が特定核燃料物質の防護上十分でないと認めるときは、前項の認可をしてはならない。>
原子力規制委員会は炉規法に則って直ちに柏崎刈羽6、7号機の認可を撤回するべきだ。
 しかしながら、このようなID不正使用事件が起こらなくても、東電が柏崎刈羽原発を動かそうとすることを許してはいけない。
○何よりも、3.11原発事故の為に多くの人がふるさとも生活もなりわいも失い、その傷がいえることは無い。
○廃炉は全く先が見えないではないか 規制委と東電で交わした「7つの約束」の「1. 福島第一原子力発電所の廃炉を主体的に取り組み、やりきる覚悟と実績を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原子力発電所の運転をする資格は無い。」を破っている。
○汚染水対策も破綻しているではないか! 地下水流入を止められずトリチウム他多核種汚染水130万?を海洋投棄するつもりか? 田中俊一委員長がオリンピック招致の為のアンダーコントロールの嘘を後押したではないか? 撤回せよ。
○事故原因追及もできていないではないか? 地震影響も3号基核爆発説も未解決だ。
○賠償の責任も果たしていないではないか? 東電は3つの誓い(1.最後の一人まで賠償貫徹、2.迅速かつきめ細やかな賠償の徹底、3.和解仲介案の尊重)を破り、文科省や経産省から指導を受けたではないか?

 私は、イチエフ事故を起こした東京電力が何ら責任をとらず存続していることが問題だと思う。少なくとも東電の柏崎刈羽原発の再稼働を絶対に許してはならない。
 みなさん、東電から電気を買うのを止めましょう。


更田委員長が「あれはあれ、これはこれとは行かない」と言っていたではないか?

(追記)2月13日深夜に福島県沖地震が起こった。多くの方々が10年前の地震と原発事故を思い起こしたのではないだろうか。何と気象庁によるとこの地震は10年前の地震の余震だそうだ。東通・女川・柏崎刈羽・東海で大きな被害は出ていないようだが、イチエフの無事はなかなか発表されなかった。その後「福島第一原発、第二原発プールから溢水」との報道がある。本当にあふれ出た水は少量なのか? 真実の報告を待つしかない。
 それにしても、「東北地方にある火力発電所10基余りが地震直後に運転を停止」したそうだ。この地震時に周辺の原発が一基も稼働していなくて幸いだった。
 やはり原発を動かしてはいけない。
以上