原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その239 2021年1月21日
大飯4号機の再起動を容認! 住民安全よりも原子力ムラ意向優先の再稼働推進委員会〜大飯3号機トラブルも他トラブル多発も司法の許可取消判決も原子力マネー還流も総て容認して大飯4号再稼働を認める原子力規制委員会〜
 1月15日に関西電力が大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉、定格電気出力118万kw)を起動した。前々日1月13日の原子力規制委員会定例会議の議題4「関西電力(株)大飯発電所3号機加圧器スプレイライン配管における亀裂に係る原因調査の状況について」で、2日後に大飯4号機を再起動を認める話は出ていなかった。会議では、大飯3号機の亀裂発生原因不明の状況報告がされ、4号機や他原発への「水平展開」が説明され、4号機は「溶接部(43カ所)について、原子炉の起動までに超音波探傷試験を実施し、配管の健全性を確認する」と報告されていた。

 これほど物騒な3号機の報告の2日後に4号機を再起動を許すなんて、規制委が如何にひどい組織であるかを、またまた私たちに明らかにした。
 原子力ムラが大飯4号機を再稼働したい理由は、九州以外での稼働原発ゼロを早く回避したい、関電の売上・利益を維持したい、第6次「エネルギー基本計画」の検討において稼動原発を増やしておきたい、からであろう。
 一方、大飯4号の稼働を認めてはいけない理由は次の様に沢山ある。
【理由1】大飯3号機の加圧器スプレイライン配管トラブルは危険
 予期せぬ重大なトラブルが発覚したゆえに、昨年9月から「大飯3号機加圧器スプレイライン配管溶接部における有意な指示に係る公開会合」なる異例の会合を9回も実施し、直近では本年1月8日にも大飯4号機の追加検査について議論し、関電があと2サイクル(13か月/サイクル)までは安全と怪しげで心配な説明をしていたではないか。
【理由2】関電PWRの蒸気発生器でトラブル頻発
 高浜4号機、高浜3号機、美浜3号機、……
おまけに関電には美浜3号機事故(2004年8月、復水配管破損、5名死亡)の前科がある。
【理由3】大阪地裁判決を尊重せよ
 基準地震動問題を指摘した「原子力規制委員会は地震規模の想定で必要な検討をせず、看過しがたい過誤、欠落がある」との森鍵一裁判長の判決に対して、原子力規制委員会は科学・技術的に何ら説明していない。
【理由4】原子力マネー還流問題
 関電トップが告発されており、関電には規制委が好きな「安全文化」なんて皆無だ。
【理由5】核のゴミを増やしてはいけない
 核のゴミの処分について、関電は西川前福井県知事の頃からの約束が守れず、これから増える使用済み燃料の「中間貯蔵施設」が未定。東電・日本原電のむつ市の施設を狙っているがむつ市が拒絶。おまけに核燃料サイクルは破綻している。
【理由6】電気は足りている
 関電は既存原発を稼働しようとしているが、再生エネルギーの進展で電気は十分に足りている。
 このように危険な大飯4号機を強引に再起動した関電に、44年以上の老朽原発(美浜3号機、高浜1、2号機)の再稼働・運転延長をさせてはならない。
以上