原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その211 2019年11月6日
パブコメにもかけずに「リラッキング貯蔵」を容認する原子力規制委員会
〜さすがに再稼働推進委員会、情けは電力会社の為なり〜
 原子力規制委員会は10月23日の定例会議で、九州電力の玄海
3,4号炉のリラッキングの容認をパブコメ無しで決めた。
(<議題1:九州電力株式会社玄海原子力発電所3号炉及び4号炉の
発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査の結果の案の取りまとめ
について(案)−使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力の変更、蒸気発生器
保管庫の共用等−>

 会議では、玄海3号炉の使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力及び貯蔵
設備を変更(リラッキング)して、貯蔵能力を「現状1,050体のところを
1,672体に増強」、何と5割増し、することを説明。5人の委員がそれを
良しと認めた。

 それでも、石渡委員がリラッキングを認めるのは初めてなので
パブコメにかけるべきと主張したが、5人で採決してパブコメすら
かけないことを確認した。とうとう、規制委がリラッキングOKを
認めたのだ。

 リラッキングについては、本シリーズ「その123 2017年1月31日
玄海が稼働したらリラッキングも許す?〜微妙にリラッキングを容認
していく田中委員長〜」に書いたように、田中俊一前委員長ですら
「やめるべき」と言っていたのだ。
 再稼働推進委員会が、パブコメをも省略して核のゴミ問題を抑え込む
ために地域住民に危険を強要したのだ。
もう誰も驚かないかも知れないが…。

 一方、10月の更田委員長記者会見から、他にも次のようなひどい
規制行政が行われつつあることが分かる
 https://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html#section1 

1 関電原子力マネー還流問題は知らぬ顔

 「経営者として、あるいはリーダーとしての資質にかかわる」と
認めながら、「福井県知事が先般、経産大臣に対して、非常に社員の
士気が落ちかねないと、これがまた再び安全文化を損なう面につながる
のではないか」と記者に問われても「きちんと気を引き締めてやらねば
ならないと考えてもらいたい」と述べるのみで、「経理的基礎」や
「安全文化」の問題で関電を責めることも、高浜・大飯を
止める気も無い。

2 トリチウム等汚染水(処理水)の海洋投棄を電力会社全体で?

 更田委員長は「1Fを応援しますというのだったら、○○電力として
処理済み水を、十分な処理と適切な希釈を経た後の海洋放出に関して、
我が社は影響がないと考えると言うのか、何でもいいのですけれども、
同業者はそれぐらいのことを言ってもいいのではないか。」と、何と
他電力会社に海洋投棄容認発言を求めているのだ。日本唯一の規制
行政を担う原子力規制委員会の長が言う言葉だろうか。

3 東電の東海第二資金支援を容認し日本原電の経理的基礎を
 見直さない

 「柏崎刈羽の許可の前の段階で、東京電力ホールディングスの
トップとして、経営者として、福島第一原子力発電所の廃炉をやり
抜くと。これは規制当局に対する約束という以前に、社会に対する約束
だと捉えるべきもので、…会社の社会的責任として認識されている事柄
だと私は思っています。」と珍しくいいことを言いながら、東電の柏崎
刈羽原発の再稼働を認め東海第二の為の資金支援を認める二枚舌。