原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その185  11月02日
東海第二原発から保安規定の認可前でも運転延長認可OK
〜何が何でも正常に稼働していない原発を「例外中の例外」運転延長する規制委〜
 2018年10月25日の東海第二の再稼働を問う院内ヒアリング集会で原子力規制庁
から思わぬ回答が出た。保安規定は未だに一回も審査していない、保安規定の認
可前でも運転延長の認可が可能だ、と。
 でも、適合性審査は設置変更許可−工事計画認可−保安規定認可で一体ではな
いの?
 高浜1,2号と美浜3号の運転延長認可は保安規定認可と同日だったではない
か?
 さすがに、原子力規制委員会は再稼働推進委員会、原子力ムラの強い味方だ。

 皆さん、40年乗った自動車(それも3.11で被災して7年半乗っていない車)
を修理して乗りますか?それも時速100km/時(基準地震動270ガル)で造った
ものを400km/時(1009ガル)に4倍近くも上げて、これから3年間も修理して、
でっかいガレージ(防潮堤)まで造って、乗りますか?
 「例外中の例外」の運転延長は、現実に今非常に順調に稼働していてこのまま
廃炉にするのはあまりにももったいないという時にするものでしょう。
 当初の稼働予定期間(30年)を過ぎ、被災し、7年半以上も止まっている原発
の運転延長なんて認めてはいけない。

 原子力規制庁担当が教えてくれた保安規定パスの根拠は、内規「実用発電用原
子炉の運転の期間の延長の審査基準」。
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kettei/02/02_01
_jitsuyoro_shinsa_naiki.html
 合計5ページの内規の重要な部分は次。

<実用発電用原子炉の運転の期間の延長の審査における基準を明確にする観点か
ら、当該審査に当たって確認すべき事項を次のとおり定める。
1.運転期間延長認可の時点において、…工事の計画がすべて同条の規定に基づ
く認可等の手続きにより確定していること。
2.…原子炉その他の設備の劣化の状況に関する技術的な評価の結果、延長しよ
うとする期間において、…対象となる機器・構造物が下表に掲げる要求事項に適
合すること、又は同評価の結果、要求事項に適合しない場合には…延長しようと
する期間における原子炉その他の設備についての保守管理に関する方針の実施を
考慮した上で、延長しようとする期間において、要求事項に適合すること。>

 2.で「保守管理」は考慮されてはいるが、保安規定が認可されていなくても
運転延長を認可できると言うのが原子力規制委員会の解釈。

 面白いことに、電気事業連合会のHPにも、設置許可−工事計画−保安規定の
適合性審査セットの次に運転延長の説明があり、「この制度では、延長期間の運
転にともなう劣化を考慮した上で、定められた技術基準に適合し、延長期間中維
持することを求めており、原子力規制委員会によって適合性が判断されます。」
とあり、図を見ると3点セットが合格しないと運転延長が無理の様に読める。
https://www.fepc.or.jp/nuclear/safety/kisei/shinsa/index.html


原子力規制委員会が東海第二の運転延長を認める為に、一層緩やかに過ぎ合理性
を欠く規制をして、原子力ムラに寄与しているのだ。