原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その182  9月19日
東海第二原発の「例外中の例外」運転延長を認めてはいけない〜「動かすか動かさないかは私たちの知ったことではない」なら無責任に特急審査で老朽・被災原発の「認可」を乱発するな〜
○運転延長認可はまだまだ
 9月13日夕以降に「東海第二原発 運転延長認可の見通し」と多くのメディアが
報じた。この日午後の東海第二原発の運転延長に関する次の審査会合で大きな宿
題が出なかったからまとめに入るということらしい。
 第623回原子力発電所の新規制基準適合性に係る審査会合
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/power_plants/0
0002120.html
 しかしながら、原子力規制庁と日本原電との劣化状況評価(耐震安全性評価)
審査会合を観ても、これで運転延長合格とはとても認められない。
 動画を少し覗いただけでも、包絡曲線の係数が許容限界ぎりぎり、配管の減肉
率評価方法が一律でない、減肉で地震応答速度の増減があり耐震評価困難など、
心配させることばかりが見えてくる。
 また、多くの評価資料がコンピュータ解析結果を並べているだけ、パラメータ
ひとつで結果を簡単に変えられる。日本原電の解析結果を誰が信じようか?
 また、工事計画認可の宿題と連動しているものもあり、まだまだ運転延長評価
に宿題が残っている。
 日本原電が補正書を書き規制庁が審査合格書を書いて一丁上がり?国会の「強
行採決」報道の様に、前のめり報道で合格を誘導しないでもらいたい、
 もっとも、残り2カ月を切っているので、再稼働推進委員会である原子力規制
委員会は報道のように進めるつもりであろうが。

○運転延長は危険極まりない
 それにしても、40年前に造った原発、被災して7年半止めている原発、をこれ
から補修して動かして大丈夫と誰が信じられようか。被災した40年前の車、7年
半も止まったままの車を誰が補修して運転しようか?
 火力発電や石油プラントに長期運転の実績があるそうだが、原発の場合には放
射能があり開放点検できず保守管理が非常に困難、材料の放射化や核分裂生成物
の固着などで大規模更新も困難。

○「例外中の例外」運転延長を認める為の前倒し審査
 それにしても、一方で「動かすか動かさないかは私たちの知ったことではない」
と言いながら、この東海第二原発の優遇・前倒し・特急の審査は何だ?
 東海第二原発についてこれから2カ月の間に、設置変更許可認可、工事計画認
可、保安規定認可、運転延長認可と認可を乱発するのか?うんざりだ。
 今一度言う。原子力規制委員会は、福島第一原発事故後の改正炉規法を尊重し、
東海第二原発の「例外中の例外」運転延長を認めてはいけない。