原子力規制委員会は再稼働推進委員会！
その１６３　　　３月２７日
30キロ圏住民の同意なしで原発を動かすな
～柏﨑刈羽原発30キロ圏の住民アンケート (岩波科学３月号)が示す再稼働拒否～
　原発事故で放射性物質が落ちてくる影響範囲は30キロ以内では全くない
ことが東電福島第一原発事故で明らかであるのに、原子力規制委員会が発
足直後にＵＰＺを30kmと定めた。それにも拘らず、30キロ圏の住民の同意
を得ずに住民の声を無視して原発が再稼働されている。
　当然、多くの原発で30キロ圏住民の再稼働反対の声が上がっている。

　岩波科学３月号の「新潟県・柏崎刈羽原発30キロ圏の住民は東京電力に
よる原発再稼働を拒否する―原発から５キロ圏内と５～30キロ圏内の住民
アンケート調査から」（広瀬弘忠）が20ページのレポートで住民の声を丁
寧に伝えている。
　2017年11月～12月に柏崎刈羽原発30キロ圏の住民360人（予防的防護措置
準備区域５キロ圏ＰＡＺ180名、緊急時防護措置準備区域５キロ～30キロ圏
ＵＰＺ180名）にアンケート調査を実施した結果は次のとおり。
○ＰＡＺでもＵＰＺでも再稼働反対派が賛成派を上回っている。ＰＡＺ(51％)
よりもＵＰＺ(66％)の住民の方が再稼働に否定的であり、女性(ＵＰＺ74％)
が男性(ＵＰＺ57％)よりも否定的である。
○ＰＡＺの住民もＵＰＺの住民も過半の人々が原発再稼働を危険視してお
り、ＰＡＺ(55％)よりもＵＰＺ(68％)の人々が危険だと捉えている人が多い。
○ＰＡＺで65％、ＵＰＺで82％の人々が「30キロ圏内の市町村の同意が必
要」と答えている。
○政府の補助金政策について、「再稼働を目的としたもので賛成できない」
と「再稼働には反対だが、補助金はもらってもよい」とする人が、ＰＡＺ
で57％、ＵＰＺで70％で、政府の意図は30キロ圏内ではうまくいきそうも
ない。

　現在、政府は県と立地町（村）からの同意のみで地元自治体の同意が得
られたとしているが、30キロ圏の住民の同意を得ないで再稼働をさせては
いけないことをこのレポートが教えてくれている。
　本年２月に原子力規制委員会が「玄海原子力発電所に関する地元関係者
（周辺自治体の長、議長）及び事業者との意見交換」を行ったが単なるア
リバイ作りだ。きっちりとＵＰＺの関係自治体の住民の同意を得るべきで
ある。
30キロ圏住民の同意なしの原発再稼働は許されない。

　なお、広瀬弘忠さんは、「原発再稼働を阻止する新潟県民の壁」の節に
次を述べている。
　＜原子力規制委員会のメンバーには、地震や火山の専門家はいない。地
震や噴火が原発事故の重大なリスク要因であることを認識しながら、これ
らの分野の専門家が強調するアンノウンな巨大なリスクをあえて過小評価
しようとする同委員会は、危険を危険としないことで危険な原発を「合格」
させて、政府の原発再稼働政策に荷担している。＞