原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その140   2017年7月14日

原子力規制委員会の「中途半端な安全管理への取り組み」を批判するNHK
「大洗事故」でも福島の廃炉でも同様の問題
 ○原子力規制委員会は、原子力に係わる全ての組織が「安全管理を任せられる組
織となっているのか」、それを判断する責務を負っている
○JAEAに投げかけた勧告の結末を国民に明確に示すことが必要
○その上で、原子力規制委員会は、全ての組織に対して「安全管理ができる組織」
であるのか否かの判断をこれからも進めて行くことを明確に示さなければなりま
せん。
○JAEA、原子力規制委員会ともに中途半端な安全管理への取り組みにより、事故
が発生したと言わざるを得ません。

 これらは私が勝手に書いたものではない。大洗のプルトニウム被ばく事故につ
いてごくごく当然のことを言っているとは言え、これらはNHKの報道。
NHKテレビの「プルトニウム被ばく事故を考える」(視点・論点)で、宮野廣
(法政大大学院、元東芝、日本原子力学会)さんが7月11日(火)に話した。アー
カイブは次。
  http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/275478.html

 原子力研究開発機構JAEAの大洗研究開発センターで発生した「プルトニウム被
ばくの事故」について考えたいと、宮野さんは大洗事故が「2万Bqという極めて
大量のプルトニウムが体内に取り込まれたという発表があり」、1945年のマンハ
ッタン計画での作業員の被ばく事故以来のプルトニウム事故となりかねなかった
と指摘した。さらに、事故の背景を推察して、
・プルトニウムを貯蔵する容器を長時間放置  一般廃棄物の処分程度に考えて
いた
・ガスで膨らんでいる可能性を理解しながらプルトニウムの爆発的な飛散を想定
しなかった
ことを問題視しながら、
「本来厳重に管理すべきであるプルトニウム貯蔵容器を、20年以上点検していな
かった上に、どんな状態で保管されているのかも把握していなかったのであり、
プルトニウムの管理のずさんさが引き起こした事故といえる」と断言する。
 さらに、「なぜ、事故を起こさせてしまったのか」について、経緯は分かった
が、「その根本にある“要因”が何か、ということを明らかにして、対応しなけ
れば、同様の事故が再び起きることにもなりかねません。」と警告し、
「現場の行為のどこに問題があったのか、という単純な問題ではなく、安全を確
保する仕組み、管理上の問題が重要な論点である」と主張する。
 そして、「もんじゅ」の廃炉が決まってしまえばJAEAの重大な安全管理上の組
織問題はなくなったということではないとして、「今回の、プルトニウムの保管
容器の点検は、原子力規制庁、原子力規制委員会の指摘で行われたものであり、
どのように実施すべきと指摘されたのかは、知る由もありませんが、規制庁規制
委員会では作業を進めるにあたり、安全管理上、核物質の管理上、問題ないと判
断してのことであったのでしょうか。なぜ、作業マニュアルを出させるなどの安
全管理の確認と対応を取らせなかったのでしょう。」と原子力規制委員会を責め
る。
 そして、「国もJAEAも、加えて福島の廃炉プロジェクトの組織も、これを機会
に、安全確保の管理の本質に、真剣に取り組むことを願う」と結んだ。

 「大洗事故」について、安倍官邸の「確認できない」と同様にまともに真実が
知らされていない中、宮野廣さんがNHK視点・論点で語ったことは正論である。