原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その127   2017年3月1日
その126   2017年2月21日
原子力規制委員会は被ばく影響を過小評価する先鋒
福島第一原発事故で放射線による影響はサイト内外で出ていないと喧伝する規制委の田中委員長
 去る2月15日の定例記者会見で、原子力災害対策指針と避難の問題を尋
ねられた田中委員長は次のように話した。
<○田中委員長
 いやいや、これはメディアの影響、皆さんの影響もあるのでしょうけれども、ああいう佐田岬みたいなところとか、離島の場合は逃げられないとか、避難できないとか、複合災害のときどうするのだという話ばかりが喧伝されているのだけれども、そういうことではないと。
 要するに、1F(福島第一原発)の事故が起きたけれども、放射線によっての急性の影響はいまだ、サイト内とか、サイト外も含めて出ていないわけですね。今後も多分、確率的な影響はほとんど心配しなくていいというのが、国際機関の評価も含めて、そう言われているわけです。
 そういうことをきちっと理解した上で、だけれども、逆にあわてて避難したことによって長期の避難をしたことも含めて、1,000人とか2,000人とかいう犠牲者が出た、そっちの方がはるかに影響が大きいわけですから、そういうことをトータルとして判断してもらうことが大事だということ。
その上でいろいろお考えいただくのは結構だと思いますけれども、まず、基本的な認識をきちっと持っていただくことが大事だと思います。>

◎ 「メディアの影響」、「喧伝」を強調して「避難できない」と訴える住民の声を抑え込み、さらに福島第一原発事故による放射線被ばくの被害をなきものにして、長期避難の犠牲を強調している。特に、「放射線による影響はいまだサイト内外にない、国際機関の評価も含めてそう言われている」の強弁はひどすぎる。
◎ 例えば、福島県で既に183人もの子どもが小児甲状腺がんと診断されている。例えば、飯館村初期被曝評価プロジェクトの今中哲二さんは「人口約6000人の飯館村では、…初期外部被曝が2〜17件のガン死を上乗せさせる」と推測している(岩波「科学2014年3月」)。
◎ 田中委員長は、「科学的・技術的」を標榜しながら、放射性物質が見えない・匂わないことと、晩発性の放射線障害については「放射性起因性」を立証するのが難しいことを逆手にとって、被ばくの影響を過少評価しているのだ。
 先週、田中委員長は鹿児島県に行き、三反園県知事と会い、甑島(こしきしま)にまで足をのばして「原発5キロ圏内は放射性物質が出る前に避難し、5キロから30キロ圏は屋内への退避を中心にするべき」と説明した。
 福島第一原発事故時にこの対応をした場合に周辺住民の被ばく量がどうなっていたのだろうか?
 それを説明しない限りこの実現困難な避難説明は何の意味もない。
◎ 全国の原発立地・周辺の住民からの「避難不可能」の追及から逃げて「再稼働推進と被ばく強要」をしているだけだ。そもそも、避難が必要になるぐらいなら、原発を動かすべきではないのに。
三反園知事さん、だまされないで!