原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その111   2016年9月7日
「新規制基準」は絶対に「世界最高水準」ではない!
〜民進党代表選候補よ、規制委に騙されるな!〜


 民進党代表選挙の候補者3人の話を聞いて驚いた。
蓮舫さんも前原さんも
「世界最高水準の基準に合格した原発は再稼働」
と言ったのだ。

2030年代原発ゼロ(党の方針)、避難計画ができなければ再稼働できない、と言いながらも、原子力規制委員会が作った「新規制基準」を「世界最高水準」と言うとは情けない。規制委を国会承認できなかったことも、その後の規制委のひどさも知らないのか? 連合(日本労働組合総連合会)の票を意識して安倍政権と同じく「世界最高水準」と言うなんて!

 このシリーズで何度も取り上げてきたように、日本の「新規制基準」は「世界最低水準」ではないかと私は考えている。

その証を思いつくまま以下に羅列する。
○米国で2011年3月時点で対応済みであるのに「新規制基準」で義務付けられていない項目が15個もあり、「新規制基準」は世界の水準に追いつくどころか引き離されている。
○原子力マフィアの組織IAEAでさえ必要とする深層防護の第5層「防災」について、日本の規制委員会が全く評価しない。米原子力規制委員会前委員長グレゴリー・ヤツコ氏が泉田新潟県知事と対談をして、「避難計画が不十分なら、米国では原子力規制委が原発停止を指示するだろう」と指摘した。
○EUで義務付けられている「ストレステスト」も「コアキャッチャー」も日本では不要(その46、2015年4月:その10、2014年7月)。
○もっかい事故調が「日本の原子力安全を評価する」ともろもろの問題点があり、5点満点で1.7点で。
○中国はいま、原子炉を2重の頑丈な壁をもつ格納容器の中に収め、万一のコアメルトダウン対策に「コアキャッチャー」を装備した、世界最先端の原発を建設中だ。
○安全目標が定められていない(「新規制基準」策定委員)
○基準地震動が過少で耐震対策が全く不十分。
……

それにしても、3人の立候補者は民主党前衆議院議員川内博史さんの「アベノクライシス〜そこまでして原発続けますか?」(竹書房新書)を読んでいないのだろうか? 新規制基準は「ものすごく単純化すれば」次の3つの条件をクリアされればよいことになる、と書いてあるのに。
  第1:性能のいい電源車を買いなさい
  第2:性能のいい(注水)ポンプを買いなさい
  第3:性能のいい(水素ガスを逃すための穴をあける)ドリルを買いなさい

 あとは、免震重要棟とフィルター付ベントはこれからやる方針を打ち出せばいいだけ。
すなわち、「新規制基準」は「電源車とポンプとドリルを買えばいいだけ」なのだ。

それにしても、「世界最高水準」は誰にも言わせたくない。
以上