原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その85   2016年3月2日

関西電力高浜原発を直ちに止めろ
2月29日14時に4号機が再びトラブルで自動停止、規制委は規制機能を放棄した無謀再稼働容認委員会だ


  高浜原発4号機が29日14時01分に自動停止した。

(関電プレスリリース2月29日)高浜発電所4号機の原子炉自動停止について

   http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0229_1j.html

 「高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉:定格出力87.0万kW)は、本日14時01分、並列操作を実施したところ、発電機がトリップし、「主変発電機内部故障」および「PT※故障」の警報が発信し、タービンおよび原子炉が自動停止しました。現在、原因については、調査中です。 なお、環境への放射能の影響はありません。また、高浜4号機のタービン、発電機、原子炉の自動停止状態は良好です。 ※PT:計器用変圧器」

 真っ先に「だから言ったじゃないの」と言いたい。

 4号機は使用前検査中の2月20日に放射能汚染水もれ事故を発生していた。

    (関電プレスリリース2月22日)

  「高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力87万キロワット、定格熱出力266万キロワット、第20回定期検査中)は、平成28年2月20日15時42分頃、1次冷却材系統の昇温に向け化学体積制御系統の水をほう素熱再生系統に通水したところ、「1次系床ドレン注意」警報が発信しました。

 このため、同日15時45分に当該系統への通水を停止するとともに、当社運転員が現場を確認したところ、高浜発電所4号機の原子炉補助建屋の脱塩塔※1室前(EL10.5m)の床面に水溜り(約2m×約4m×約1mm:約8リットル)を発見しました。

 その後、水溜り(放射能量は約1.4×104Bq※2(約1.74Bq/cm3×8リットル))は拭き取り、水溜りのあった箇所は汚染が無いことを確認しました。

 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。」

  それにも拘らず、関電は、原因を「B−冷却材脱塩塔の入口側弁のボルトの締め付けについて、現場の取り付け状況等の要因により、一部のボルトの締め付け圧が低い状態であったため、化学体積制御系からほう素熱再生系統への通水操作による系統の圧力の一時的な上昇に伴い、当該弁から漏えいが発生したものと推定しました。」と発表し、予定通り2月26日17時再起動してしまったのだ。

 高浜ゲート前で抗議行動をした私も、水漏れ事故ゆえ当然再稼働は遅れると予測していた。

 この水漏れから今日の事故発生まで、原子力規制委員会は何をやっていたのだろう?

  4号機は30年前に稼働した古い原発であり、かつ4年7か月も止まっていた。その使用前検査で再稼働の数日前にボルト締め付け不足で一次冷却系の放射能汚染水漏れが発生した。

 それにも拘らず関電が強引に日程優先の再稼働をした。関電トップの焦りがありありと現れているではないか。これを止める役割をすべき組織が原子力規制委員会だ。ボルト閉め漏れが他にないか、他にも気の緩みや古い機器の劣化が無いか、水平展開を含めた再点検を指示するべきだった。

  ところが、全く何もできずに関電の要望を受け入れ、全く何もできずに再稼働を容認した原子力規制委員会の責任が重い。

 原子力規制委員会は、再稼働推進委員会と言うよりも、無謀再稼働容認委員会だ!