原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その83   2016年2月12

「環境放射能モニタリングの見直し」で帰還を促進
 〜住民の要求よりも、節約して放射線量隠し〜


 またまた原子力規制委員会が住民に被ばくを強要する為の提言を決定した。

2月10日の原子力規制委員会定例会議の議題5「環境放射線モニタリングの見直しについて」で、福島県内のモニタリング結果の時系列グラフが低減あるいは横ばいになっていることを示し、放射線監視装置(モニタリングポスト)の撤去や再配置を方向付けしたのだ。県内全市町村に計約3000台あるモニタリングポストのうち、避難区域が設けられた12市町村以外にある約2400台の撤去などを検討する。

狙いは田中委員長の露骨な次の発言で明らかだ。

・限られたリソースだからモニタリングをどれも続けるのはどうか
・住民の要求があるからやるという訳にはいかない
・小中学校でモニタリングしているが各市町村に1つ残すのでいい
・固定式を可搬式にする提案もある
・帰還困難区域の復帰のきっかけにしたい
・出来るだけ多くの人が出来るだけ早く帰れるようにしたい
・雨が降れば増えるなど状況が分かってきているので、(放射線の)水準を見て行けばよい
・沢山置く必要は無い

要するに、住民からモニタリングポストを見えないようにして、被ばくに対して無関心・無神経になるように仕向けたいのだ。

 福島第一原発事故で原爆80発分の「死の灰」が飛び散ってしまった。半減期が長い核種は言わば保存物質だ。それ故、それらの総量がどうなっているか、除染(移染)などによりどう分布が変化しているか、その中でどの範囲に人が住めるか、住んだときのその後の影響は、などなど、これから未知の世界を迎えようとしているにもかかわらず、モニタリングを減らそうとしている。

 県内の田畑にフレコンバッグが山積み、イチエフには放射能汚染水タンクが一杯、イチエフ収束作業で放射能ダストをまき散らした実績(これからも心配)、何よりも汚染水対策も廃炉への道も先が全く見えていない。そんな状態でモニタリングを止めてしまうなんてありえない。

 モニタリング手抜きに熱心な田中委員長に対して、清水規制庁長官が「関係省庁と協議しながら、いい方向に持っていくように努力したい」と慎重に述べた。誰にとって「いい方向」かが大問題だ。

(参考)県内線量測定縮小へ 避難区域外 装置撤去や再配置(福島民報?2月11日(木)10時17分配信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160211-00000043-fminpo-l07