原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その75   2015年11月24日

特定重大事故等対処施設を遅らせて再稼働優先
パリ同時テロの日に原発施設テロ対策を延期

 
  原子力規制委員会は、文科省に『もんじゅ』への「勧告」を出した定例会議において、新規制基準バックフィットの運用を緩やかにするとともに、特定重大事故等対処施設の5年猶予の起点を遅くして実質的に同施設の完成が遅れることを認めた。折しも、この直後の11月13日の金曜日の夜にパリで同時テロが起こったのに。

 特定重大事故等対処施設(ポンプ、フィルター、発電機、燃料タンク、緊急時制御室等で構成される大型施設)は新規制基準が施行された2013年7月8日を起点として5年以内すなわち2018年7月7日までに設置しなければならないと定められていた。

 また、これらの施設は、耐震クラスS、原子炉建屋近傍の施設には故意による航空機衝突への頑健性が要求されている。

  ところが、11月13日の定例会議で、5年猶予の起点をそれぞれの原発の工事計画認可時に遅らせたのだ。それで、例えば、川内原発は2015年3月が起点になって2年近く猶予ができ、高浜は更に遅くて良くなり、まだ工事計画認可が下りていない原発はこれから5年以上猶予が与えられた。

 この決定の直後にパリで起こった「同時テロ」が示すことは、原発を動かすならば「故意による航空機衝突への頑健性」がないと非常に危険だということだ。

  何しろ原発は、民間人を巻き添えにするテロを起こす側から見れば、格好の攻撃施設であり、ひとたび異常事態が起これば、その施設が壊れるだけでなく人間に制御不能な大量の放射性物質をまき散らし続けることになるのだから。

 13日の金曜日の規制委の決定も、規制委が人の命や健康や環境よりも再稼働を優先させるひどい組織であることを如実に示している。