原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その74   2015年11月17日

誰よりも電力会社を信じ計算結果のチェックをしない規制委
〜保安院より安全審査が後退〜(毎日新聞11日夕刊から再)

 前回に引用した毎日新聞11月11日夕刊
 「特集ワイド:原子力規制委・規制庁 肝心の情報、やぶの中」には
 もう1つ重要な指摘がある。

 http://mainichi.jp/shimen/news/20151111dde012010002000c.html?fm=mnm

 規制委(規制庁)が「計算ミスの有無を調べない」ということだ。このことは、私たちが川内原発の審査について国会院内ヒアリングで追及した時にも、規制庁PWR担当がただただ九電の報告を受け入れて答えるのみで、計算の中身の理解もチェックも全くできていないことを何度も私たちは確認した。

 この審査実態からも「適合性審査に合格しても安全とは言えない」(田中委員長談)のは当然であることがよく分かる。

(以下は記事から)

 規制委は昨年5月に「大量の計算を含む申請、たとえば耐震強度評価計算などの(中略)再計算はしない」と決めた。平たくいえば「計算ミスの有無は調べない」との宣言だ。

 「(ミス防止など)品質保証は電力会社の責任。規制基準には各社の品質保証体制を調べる項目があるので再計算は不要」と規制委は言う。

 だが(旧原子力安全委員会事務局で技術参与を務めた)滝谷紘一さんは「旧原子力安全委や保安院は全部ではないが再計算していたし、電力会社とは別の計算プログラムを使って計算の妥当性を確認もしていた。確認は意図的ごまかしへのプレッシャーにもなっていた。検算しないのは安全審査の後退だ」と憤る。

 原発関連の計算ミスは以前から多い。昨年8月にも関西電力が「高浜原発で計算を誤り、想定する津波の高さを約2メートル低く算出していた」と規制委に報告。その分、防潮堤をかさ上げする事態となった。担当者が気づきながら10年以上隠蔽(いんぺい)した例さえある。

◆過去に発覚した原子力関連の主な計算・設計ミス

2005年 日本原燃が核燃料再処理工場など計4施設で設計ミスと発表。旧原子力安全・保安院の指摘で発覚

 07年 日本原燃が核燃料再処理工場で耐震強度計算ミスを発表。日立エンジニアリング(当時)が計算。1996年に気づいたが隠蔽

 08年 東京、中部、中国、東北、北陸、日本原子力発電の6電力などが地震時に配管にかかる力の計算ミスを発表。影響原発17基

 10年 東電が福島第1、第2原発の耐震安全性評価に誤りと発表

 11年 四国電が伊方原発起動変圧器の耐震評価で計算ミスを発表

 11年 北海道電が泊原発で津波評価と地震動評価に誤りと発表

 11年 日本原燃が核燃料再処理工場などの耐震安全性評価でミスと発表