原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その73   2015年11月13日

情報隠蔽名人の原子力規制委員会(毎日新聞11/11夕刊から)
福島事故の資料や原子力安全・保安院の過去データも消してしまった

 
 「黒枠白抜き」隠しを何度も指摘してきたがそればかりではない。原子力規制委員会は情報隠蔽名人、情報消滅名人だった。

 毎日新聞11/11夕刊「特集ワイド:原子力規制委・規制庁 肝心の情報、やぶの中」が詳細に報じた。

   http://mainichi.jp/shimen/news/20151111dde012010002000c.html?fm=mnm

以下の隠蔽・消滅情報は、総て同記事からのピックアップ。

○行政文書管理簿を作らずに「点検した」と内閣府に嘘

○電力会社との面談、要旨のみ

 柏崎刈羽原発の審査で「F5断層」が活断層かどうかの議論を、規制庁と電力側と非公開ヒアリングで実施し、A4用紙2ページ程度の議事要旨のみ発表。

 これは、明らかに公文書管理法(行政の意思決定過程などを「合理的に跡付け、検証することができるよう(略)文書を作成」すべき)に違反。

 また、国会事故調査委員会の黒川委員長が従来の原子力行政を「透明性を欠き(電力会社の)とりこだったと指摘し、規制委次長に議事録公開が「すごく大事」と訴えたにも拘らず、公開は議事要旨のみ。

○審査データ、目立つ「白抜き」

 関電が高浜原発の審査で事故時の原子力格納容器内の水素濃度分布の計算方法と試算結果を「白抜き」。規制委が「公開・非公開の考え方の整理を」と問うたが、中国電力など4社が本年6月に「競合会社が有利となると判断した情報は非公開」などと回答し、更田委員があっさり了解した。

○福島事故資料を削除

 発足3年を翌日に控えた9月18日、規制委は旧保安院などから引き継いだ大量の資料をホームページ(HP)から削除した。福島事故の資料も消えた。

 規制委広報室によると、HPの容量制限が理由、「原則として掲載後3年を過ぎた後、削除」というHP利用規約、田中俊一委員長にも相談。掲載後約1年半だった、1960年代からの原発トラブルのデータベースも「データが多く、情報が古い」と同時に消した。

 この削除方針は政府では異例だ。規制委は「削除した資料は国会図書館のHPで見られる」と訴えるが、図書館HPに移ったデータベースは検索機能を失い、使いにくくなった。

 科学ジャーナリストの添田孝史さんは「図書館HPはグーグルなどで外部から検索できず、事前に存在を知らない限り探せない。それに福島事故は重大性から見て資料を永久保存すべきだ」と批判する。

 「原発の安全は国と電力会社におまかせ」と言えた時代は福島事故で終わった。今の原発行政が世論の納得を得るには、最大限に情報を公開するしかないはずなのだが。