原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その64   2015年9月25日

大雨が降るたびに法令報告をしているようでは本末転倒?
規制委委員長と代理がことを荒立てないよう抑え込もうとしている
放射能汚染水漏れを隠すな!汚染水対策検討WGを開催せよ!

  9月16日の原子力規制委員会で「東京電力株式会社福島第一原子力発電所におけるタンクエリア堰内からの漏えいについて」を報告・議論した。

      http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/index.html (第29回)

 まず、規制庁担当が報告:降雨により堰内に溜まっていた水の漏えいが発生した、炉規制法第62条の3の規定に基づき報告を受けた、核種分析結果は告示濃度限度を下回っているが排出基準を超えている、環境への影響がないと事業者が報告、今後原因究明と再発防止対策について確認していく予定。

 また、ストロンチウムの濃度が高いことについて、金城事故対策室長が次のように述べた。「過去にタンクからの漏えいがありまして、この堰は補強が図られたわけですけれども、このエリアも含めて、除染をした上で堰を高めたと、コーティングをしてという、処置を施しています。この部分の汚染状況については、昨年の秋のデータがあって、そのときにはH5とかと同じように、全ベータ濃度は低い状況にありました。ですが、ことしの夏にまた再度測ったところ、やはり高い状況になっていたということですので、H4について、こういう汚染があったことについては、どういう原因が考えられるのかということはちゃんと東電に見させないといけませんし、やはりそれに対する対応はしっかりと計画的にやる必要があると考えております。」

 にも拘らず、これに対して、更田委員長代理、田中委員長が汚染水漏れを隠す為の発言。

更田:堰等が十分な時間をかけて施工されたというよりは応急措置的な施工状況で、今後も一定の頻度でこういったことは起こるだろう。出た総量で言った場合は取るに足らない。

田中:排水濃度基準とか、濃度限度とか、こういったものは元々健全な通常の原子力施設について定められたもの。雨が降ると必ずこういうことが起こり得るということなのです、今後も永遠に起こり得るかもしれない。これを法令報告として扱うのがいいのかどうかということについてはもう少し検討を要するのではないか。大雨が降るたびに法令報告をしているようでは本末転倒。

 確かに、規制庁の説明では、報告基準をこの5月に改定したから法令報告が必要になったらしいが、規制委委員長と委員長代理がことを荒立てないように抑え込もうとしていることが明らかだ。

 本来、これだけ頻繁に汚染水漏れが起こっているのだから、「特定原子力施設監視・評価検討会汚染水対策検討ワーキンググループ」や「海洋モニタリングに関する検討会」を直ちに開催するべきなのに、昨年4月以来ずっと開催しないのも汚染水漏れ隠しの為だろう。

 本来なら、安倍首相の大嘘(コントロールもブロックもできていない)を白状し、放射能汚染水がどれだけ外洋に出たかを明らかにして、総量管理するべきなのに。