原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その57   2015年8月7日

説明責任を果たさずに再稼働を推進する原子力規制委員会
再稼働反対世論調査結果を問われて「国民」を馬鹿にしメディアに圧力をかける田中委員長

  8月5日(水)の田中委員長記者会見は、川内原発1号機の再稼働を目前にして、記者が厳しい質問をし、いらついた田中委員長は「国民」を馬鹿にしメディアに圧力をかける発言をした。

 NHK記者の質問にあるように、原子力規制委員会は(大甘・不合理な新規制基準で非常にいい加減な「耐震偽装」付審査をするという理解不可能な規制行政をしながら)多くの専門家や「国民」の疑問に対して説明を怠っていることが一番の問題であるのに。

 詳しくは、次の「原子力規制委員会委員長定例会見」の8月5日の欄をご覧いただきたい。http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html

〇世論調査結果が示す原子力規制委員会への不信

(TBS)8月1日、2日のJNN世論調査では、川内原発の稼働について、35%が賛成、57%が反対。この4年間に合計19回の世論調査をやっていてその全てにおいて反対という声が賛成の声を上回っている。その責任は?

(田中)世論調査というのはいろいろなやり方があるから、一概にその数値がどういう意味を持っているのかということは分かりません。逆にいうと、自分に関りのない問題は何でもそうですけれども、ちょっと嫌なことは反対するというのは普通の感覚だし、マスコミもそういう論調が多いわけだから、当然そうだと思います。


〇産経新聞記者も明確に今現在の川内原発再稼働に疑問を抱いて質問

(産経)

 ・国民の信頼というのは、果たしてこの組織に対して回復したと言えるのかどうか?

 ・新安全基準を作成すると言っていたものが、途中から新規制基準に変わったというような例がありますけれども、委員長御自身は、この数年間で安全という捉え方、ものの考え方は変わったのでしょうか?

 ・あれだけの凄惨な事故を起こした日本が原発へ回帰すると言う日に、委員長御自身の思いとしては、その日にどういう感慨が湧くのか。事故前に陥っていた安全神話が、現状今、日本は脱却できたと言えるのかどうか。

〇NHKが追及する説明責任

(NHK)原発のリスクがどれほど下がったのかというのがなかなか理解できない、実感できないということも一つ要因としてあると思うのですけれども。…。規制委員会がもっと丁寧に説明して、国民の疑問に答えるような形で説明することが欠けているからではないか。

(田中委員長)メディアの中でもそういうことを分かっているのか、分かっていないのかよく分かりませんけれども、そういうことをいろいろおっしゃっているから、国民というのは大体そういう世論に流されるところがありますので、本当の意味でどこまで理解していただけるか分かりません。

(赤旗)「国民はメディアに流されやすいから、なかなか私たちの取組を分かってもらえないのだ」と聞こえたが、それはちょっと国民をばかにしていませんか。

(田中委員長)いや、そういう意味ではないです。メディアの人はもっときちんと社会のリーダーたるべきだと私は思っていますので、その期待に添うようにきちんとした考えで報道もしていただきたいと。

 この日午前の原子力規制委員会定例会議で、川内1号機の高経年化保安規定変更が認可された折に、多くの傍聴者が立ちあがって抗議したにも関わらず、その姿を各社のテレビカメラが映さなかったそうだ。このことは、前述のような田中委員長他からのメディアへの圧力がからんでいるのではないか。