原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その55   2015年7月28日

「科学的・技術的」でなく「政治的」見解を出し続ける原子力規制委員会
南相馬の米汚染はイチエフ由来でない?!
支援対象地域は「避難する状況にない」?!

  先の1月20日発信のたんぽぽ舎メールマガジン【TMM:No2384】の★2「その35」で「福島第一原発がれき撤去作業によるコメ汚染を否定する田中委員長」を書いたが、その続編を同じく岩波「科学7月号」に牧野淳一郎さんが「3.11以後の科学リテラシーno.33」で書いている。

 「農林水産省が新たに発表した調査結果を読み解くと、2013年8月に双葉町郡山で空間線量率を上げて、南相馬の米を汚染したダストは、福島第一原発に由来することは明らかであり、それ以外の解釈はおよそナンセンスであると言わざるを得ません。しかし報道によると、農林水産省は、明確な汚染源を特定できず調査を打ち切るとのことです。」

 説明を受けた農家は「トラブル続きの原発が原因としか思えない。最終的に何が要因なのか分からず納得できない」「これから1号機の建屋カバーが外される。同じ問題が繰り返されるのではないか」と不満や疑問、農水省の調査姿勢に対する批判が相次いだ。

 現実に今日(7月28日)東電は、1号機の原子炉建屋を覆うカバーの本格的な解体作業に着手した。

 確かに「原子力規制庁の機能不全・機能以上が他の省庁に伝播している。」

同じことが復興庁でも起こっている。

 詳細は、OurPlanet-TVの『支援対象地域「避難する状況にない」−規制庁が独自見解』をご覧いただきたい。http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1947

 復興庁が6月24日に原子力規制庁に対し、支援対象地域の状況について質問を送付。これに対し、規制庁の放射線対策・保障措置課が回答を作成。翌25日に復興庁に返答した。

 6月25日に原子力規制庁が示した見解は次のとおり。

 『…福島第一原子力発電所の事故から4年以上が経過した現在、これらの調査から得られた結果を見ると、多くの避難指示準備解除区域においても、空間線量率から積算される実効線量は、避難指示準備解除区域の基準となる20ミリシーベルトを大きく下回る状況である。加えて、福島県の複数の市町村が、個人線量計による測定結果を公表しており、それによると、一部の地域を除いて、支援対象地域の住民の大部分の年間個人被曝線量は、1ミリシーベルトを下回っている。このように、支援対象地域の空間線量率や、個人線量計による測定結果等の科学的なデータから見ると、現在、避難する必要のある状況ではない。』

規制委が勝手に「避難する必要のある状況ではない」と決めつけるのはおかしい。

原子力規制委員会の2013年11月20日の決定「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」には、確かに「我が国では、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告等を踏まえ、空間線量率から推定される年間積算線量(20ミリシーベルト)以下の地域になることが確実であることを避難指示解除の要件の一つとして定めている。」をすべり込ませてはいる。がその後に、「ただし、避難指示区域への住民の帰還にあたっては、当該地域の空間線量率から推定される年間積算線量が20ミリシーベルトを下回ることは、必須の条件に過ぎず、同時に、国際放射線防護委員会(ICRP)における現存被ばく状況の放射線防護の考え方を踏まえ、以下について、国が責任をもって取組むことが必要である。

・長期目標として、帰還後に個人が受ける追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下になるよう目指すこと

・避難指示の解除後、住民の被ばく線量を低減し、住民の健康を確保し、放射線に対する不安に可能な限り応える対策をきめ細かに示すこと」としているのだから。

 まして、この重要な判断を規制庁が原子力規制委員会に諮ることなく、復興庁に回答したことも問題だ。

 いずれにしても、原子力規制委員会・原子力規制庁が「科学的・技術的」でなく「政治的」見解を他省庁に及ぼす、とんでもない役割を果たしていることを以上の2例が示している。