原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その51   2015年6月11日

川内原発工事計画認可の審査は九電説明「鵜呑み」
過大応力の評価を「見ざる、聞かざる、言わざる」九電任せ審査

   川内原発の工事計画許可の審査において「白抜き偽装」、「耐震偽装」だらけであることを山崎久隆さんとともに院内ヒアリングで追求し、行政不服審査法に基づき原子力規制委員会に異議申立を提出し非公開審査される。

岩波書店「科学」5月号に関連の論文を発見したので紹介する。

「行方知れずの計算書―過大応力の評価は事業者任せか」

(原発規制庁審議ウォッチ・グループ)

 われわれ(ウォッチ・グループ)は藤野保史衆議院議員事務所を通じて原子力規制庁に質問書を送った。その回答は納得できるものではない。

工事計画認可申請書において、Sクラス施設の強度計算の結果、応力発生値が評価基準値を超えた項目について「簡易弾塑性解析を実施」と記してある。

それはどのような計算でどういう結果を得たのか?の質問に対する規制庁の回答は驚くべきもの。

「『簡易弾塑性解析計算書』は事業者から受け取っておりません。」

「事業者ヒアリングで、弾塑性解析に係る関連資料は提出されていません。」

納得しがたいのは、もっともクリティカルな応力部位について「計算書を受け取っていない」と言っていること。事業者による「評価基準値を満足することを確認した」の本文記述だけで審査を通すとすれば、それは「鵜呑み」であり、審査の信頼性を失わせるものである。

 再稼働阻止全国ネットワークの院内ヒアリングでも規制庁PWR担当が同様の回答をしていた。原子力規制委員会は最も重要な部分で「見ざる、聞かざる、言わざる」審査をしているのだ。

「新規制基準」が緩すぎて合理性を欠き、設置変更許可の審査が地震対策や火山対策など多くの点であまりに甘すぎることは報道されている。が、工事計画認可の審査がこれほどひどい「白抜き偽装」、「耐震偽装」であることは全く報道されていない。

 多くの人に何とかこの事実を知ってもらいたい。