原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その45   2015年4月16日

またまた田中委員長の「ぼそぼそ」発言で非科学的決定
老朽美浜原発3号機の再稼働審査を敷地内活断層調査の判断なきまま開始決定

   原子力規制委員会が、またまた田中委員長の「ぼそぼそ」発言から非科学的・政治的決定を行った。

 去る4月8日(水)の原子力規制委員会定例会議で予定されていた6つの議題が終わったあと、田中委員長が「ちょっと私から1つ皆さんに御意見を伺いたいというか、御審議していただきたい」と話しだし、石渡委員も曖昧にすり寄った応答をして、結局次の決定をした。

 「関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の新しい規制基準に基づく審査の進め方について、原子力規制委員会は8日の定例会合で、原子炉直下の断層が活断層かどうか明確な判断を下さないまま、審査を本格化させる方針を決めた」(東京新聞4月9日朝刊)。

 これについては、同日午後の記者会見で、珍しく各社(日経、NHK、共同、日テレ、朝日、時事、毎日、共同)の記者が多岐に亘って鋭く詰め寄り、次の回答を引き出した。

・美浜3号機は40年廃炉を目前にしており早く審査を開始しないと延長に間に合わない(来年11月まで)

・4月6日に「美浜発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合評価会合」が行われたが、明示的に結論は出ていない

(http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/mihama_hasaitai/00000003.html)

・この日に森田安全規制管理官が、2日後の原子力規制委員会定例会議でこうした審査開始の議論が行われる可能性があることを、4名の有識者に伝えた

・この有識者会合の動画を観た田中委員長が、火曜(7日)朝に規制委定例会議に諮ることを決めた(森田発言と矛盾!)

・それで、これだけ注目される話題なのに、8日(水)の規制委までは議題に上げずに田中委員長の「ぼそぼそ」で討議開始し、決定した

  この記者会見は、各社記者がもろもろの角度で続けて問題点を指摘し、まるで記者による委員長への団体交渉の様相を呈した。

 田中委員長と原子力規制委員会と原子力規制庁が、関電の思惑に寄り添い、「疑わしきは安全側に」に反し、有識者の意向を確認もせずに、自分たちで決めたこと(敷地内活断層無を確認してから審査開始)を破り、かつ議題として上げずに、美浜3号審査開始を決定をしたのだ。

 原子力規制委員会が原子力マフィアそのものであることを如実に示している。

よろしければ、是非記者会見をご覧いただきたい。

(http://www.nsr.go.jp/nra/kaiken/index.html 平成27年4月8日)