原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その42   2015年3月20日

規制委が再稼働を促進し第3者の介入を口封じする儀式
川内原発1号機の工事計画認可決定(3月18日)を糾弾する行動を実施
資料を非公開のままでパブコメもせず工事計画の認可を決定するな!
2号機と共用施設の審査がまだの状態
 原子力規制委員会は、3月18日(水)の規制委定例会議で「議題1 九州電力株式会社川内原子力発電所第1号機の工事の計画の認可について」を検討し1号機の工事計画認可を決定した。
 「再稼働阻止全国ネットワーク」では急遽、早朝に「川内原発再稼働をやめろ!工事計画認可抗議行動〜資料を非公開のままで、パブコメもせずに、工事計画の認可を決定するな!」の抗議行動を実施し、抗議・要請書を提出し、数人が傍聴し不規則発言を発したが、及ばなかった。
 この日田中委員長が出席したのはこの議題1だけで、すぐに国会に移った。定例会議の開始時刻を早めてでも今日中に実施したかった儀式がこの「川内工事計画認可決定」だった。1号機だけでかつ保安規定も入らず2号機と共用施設の審査がまだの状態で決定を急いだのは、前日からの廃炉決定報道(計5基)、既に原発稼働無しで550日経過、川内原発の設置変更許可(昨年9月10日)から半年も経過、などなどの状況で、今年度中に再稼働への進展を演出する必要があったのだろう。
その証拠に、1号機の補正書は会議間際の3月16日に提出され(これもマスキングだらけ、かつ更田委員に「九電は全体に提出資料を管理する体制を欠く」と云わしめたほど誤字脱字多)、2号機の工事計画補正書は4月以降になり、一方世界(原子力マフィア)向けに早速3月18日に英文ニュースリリース(Approval of Plan for Construction Works for Kyushu Electric Power Company’s Sendai Nuclear Power Station Unit 1)を発表し、更に明くる19日には1号機のみの「使用前検査申請書」を九電に提出させた。なお、この申請書には「使用の開始の予定時期」は平成27年8月と記されている。

 しかしながら、規制委はこの儀式で工事計画・保安規定認可の手続きを簡略化する実績を作った。
 この儀式では、「阻止ネット」が強く要請した工事計画審査内容の全面公開とパブリックコメントの実施を全く無視して、規制庁が巧妙な発言「新規制基準施行後初めての工事計画認可なので今回は規制委員会で確認するが、本来は工事計画認可は規制庁の専決処理が可能」と。これからいくつも続く工事計画・保安規定は原子力規制委員会では審査確認をしないことを匂わせた。すなわち、規制庁と電力会社との秘密会合で全てを決定するつもりなのだ。

 私たちが院内ヒアリングで明らかにしたこと、すなわちこれらの審査も非常に問題含みで、にもかかわらずマスキング(注)だらけの公表の仕方で、どんな専門家が見ても審査の妥当性が確認できない状態で、かつ専門家が見てこれでは危険!と思われる箇所がいくつもある(山崎久隆さんが、設置許可と工事計画との整合性、敷地のすべり安全率、ほう酸注入設備用ポンプ評価、加圧器の安全性、冷却系統施設の耐震強度、緊急炉心冷却装置配管の強度、制御棒クラスタの耐震性、蒸気発生器の交換、などなどを指摘)中で、これらの事実を覆い隠し、自分たちだけでOKを出すつもりなのだ。
 このような原子力規制委員会、規制庁の横暴を私たちは許してはならない。川内も高浜も、続く原発も、工事計画・保安規定や使用前検査についても続けて監視し反対の声を拡大し、再稼働を阻止せねばならない。
(注)マスキング(masking):覆い隠すこと。包み込むこと。