原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その34   2015年1月10日

規制委と事業者による「工事計画」審査の隠蔽を糾弾する
「黒枠白抜き」では第3者に審査の妥当性が判断できない
 川内、高浜、伊方、…と次々と審査が進んでいるが、それでもまだまだ規制委の審査は続いている。

 川内に関して言えば、設計変更について9月10日に合格証が出たが、その後工事計画変更・保安規定の審査が続いており、例えば昨年12月にも25回以上「事業者との審査ヒアリング」と称する秘密会合が開かれている。そこで種々問題点が発覚したのであろうか、12月中旬に九電が提出すると言っていた工事計画の再再補正書が未だに出ていない、瓜生社長が「1月中にはしっかりお出しできれば」と苦しい答弁をしている。

 さて、九電が提出し規制委サイトにアップされているこの工事計画認可申請だが、何と「黒枠白抜き」が一杯だ。
例えば「九州電力株式会社から川内原子力発電所1号機の工事計画認可申請の補正書を受理しました」のページ
( http://www.nsr.go.jp/activity/regulation/law/PWR/26/10/1008_01.html )
の1番目のファイル「川内原子力発電所1号機 工事計画認可申請書の一部補正(1)【PDF:29.4MB】」の2ページ目に「本資料のうち、枠囲みの内容は、商業機密あるいは防護上の観点から公開できません。」
と書かれ、現実にその次の「一部補正(2)」の沢山のページが「黒枠白抜き」になっている。

 例を次に示す。1つ目は「一部補正(2)」2ページ目の表示、2つ目は「一部補正(3)」の原子炉建屋の地震応答モデル説明、3つ目は別ファイルの据付部材の固有振動数の計算結果説明。これで誰が何を判断できるだろう。
 要するに、審査をやってますよとポーズをとるだけで、実際に「国民」に厳密な審査結果を伝える気がないのだ。これではどんな専門家でも一連の資料から審査の妥当性を判断できない。
 このことは、山崎久隆さん(たんぽぽ舎)が阻止ネットの規制庁院内交渉で指摘した。その後九電に問うたところ、規制委には生データ入りを提供しているが、「黒枠白抜き」を付けたサイト公開用のPDFファイルを九電が提供しているそうだ。
 ひとたび事故を起こせば周辺地域の人や命を奪い環境破壊する可能性が高い原発を再稼動しようという事業者に機密を認める必要は全く無い。それとも、審査内容を明らかにできない事情(例えば、地震応答解析結果が思わしくないなど)があって、規制委と事業者と共犯で隠蔽しているのではないか?

 すべての情報を公開して、審査とパブコメをやり直すべきだ。