原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その22   2014年10月6日

原子力規制委員会はIAEA(国際原子力機関)の下部組織?
田中委員長のウィーン出張が示す「原子力マフィア」の集い
 ○先週の9月22日から25日まで、田中俊一委員長はウィーンに出かけ、IAEA年次総会とINRA(国際原子力規制者会議)に参加し、いくつかの国との2国間会合を実施してきた。会議・会合の中身はもちろん「秘密」。
 国内でも海外でも国際会議・国際会合は非公開で開催し、会議の概要だけを報告する。
 核防護とかテロ対策だとか言うが、それ以上に秘密会合にしないとまずいことがあるのだろう。
 今回の出張報告は次の「結果概要」のみが公表された。

・「国際原子力機関(IAEA)総会及び国際原子力規制者会議(INRA)・各種二国間会合等の結果概要について  平成26年10月1日原子力規制庁
   http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/h26fy/data/0030_08.pdf

・オーストリア・ウィーンにおいて9月22日(月)から26日(金)の日程にて実施された第58回国際原子力機関(IAEA)総会に参加した田中委員長が、国際原子力規制者会議(INRA)への出席、各国との二国間会合、IAEA事務局等との意見交換を実施した。結果概要は以下の通り。
・22日に、メザーブ国際アドバイザーとの意見交換、トルコの原子力規制当局との会合を実施
・23日に、独国在ウィーン国際機関代表部大使公邸にてドイツ主催により開催された国際原子力規制者会議に田中委員長が出席し、委員長を含む9か国※の規制機関のトップが参加する中で世界の原子力規制に関わる幅広い議論が交わした。
 *日本、米国、英国、仏国、独国、カナダ、スペイン、スウェーデン、韓国
・24日に、天野IAEA事務局長との意見交換、マグウッドOECD/NEA事務局長との意見交換、さらにドイツ、ベトナム、リトアニア、UAEの規制当局との会合を実施
・トルコ、ドイツ、ベトナム及びリトアニアの4ヵ国の原子力規制当局との間で、情報交換等の協力に関する覚書に署名

○原子力規制委員会サイトには、次の人たちと田中委員長との握手写真が掲げられている。田中委員長は安倍首相と組んで原発の輸出を促進しているのだ。
写真右:リトアニア原子力規制当局 デムチェンコ長官
写真左:ドイツ環境・自然保護・建設・原子炉安全省 クロースター局長
写真右:トルコ原子力庁 アルペル長官
写真左:ベトナム原子力規制当局 タン長官

○過去にもIAEAと接触した後に国内当局が動き出すことが頻繁にあった。
 例えば、原子力安全・保安院は、大飯原発のストレステスト意見聴取会が続いている2012年の冬、「国際原子力機関(IAEA)によるストレステストに関するレビューミッション」が1月31日に催され、その2週間後の2月15日に「発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策規制の基本的考え方に係る意見聴取会」の設置が発表され、2月22日に第一回会合を開催、委員の間に戸惑いがあることを目撃した。
 今回のウィーン訪問時に何らかの指示を受けたのであろう、10月1日の定例会議から田中委員長は放射性廃棄物の安全管理を強調し出した。日本学術会議が2012年9月に「高レベル放射性廃棄物問題を考慮事項に入れた上で、原子力政策について考えるべきである」と提言したことを、原子力規制委員会はずっと無視してきたくせに。
 原子力規制委員会は、多くの脱原発支持「国民」でなく、欧米の「原子力マフィア」達の意向に沿って動いているのだ。
IAEAも規制委もしっかり監視しなくてならない。