原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その19   2014年9月16日

「朝日」新聞叩きに加担する規制委員会
パブコメ無視を棚上げし厳しい質問が相次いた記者会見を反省せずに、テレビ朝日を恫喝する原子力規制委員会
○ 規制委が「川内原発の新規制基準合格」を出した9月10日、その日の夜の報道ステーション(テレビ朝日)について、原子力規制委員会が2点の指摘をした文を11日に規制委サイトに公表、テレビ朝日が12日付で「放送内容についてのお詫び」を規制委に出し、それも規制委サイトに公表された。テレ朝が認めた2点の重大なミスは次の通り。
1「火山影響評価ガイド」と「竜巻影響評価ガイド」とを混同して編集していた。
2 記者とのやり取り部分で委員長の回答を割愛し、あたかも委員長が回答を拒否したかのような印象を与えてしまった。

1については記者の初歩的ミス。
2については委員長はロイター・ハマダさんの質問には確かに答えなかったし、他の質問に対してもいつもの様に誠意なくはぐらかした答えが多い。テレ朝が言うように「記者の(厳しい)質問が相次いだ」ことを伝えようとしたことは当然の報道姿勢だ。このことを次で確認していただきたい。
(記者会見)http://www.nsr.go.jp/kaiken/  
(10日の動画)
 http://www.youtube.com/watch?v=MZbr9kJcCqk&list=UU5_urTtPY2VjNc1YOI4rBCg
(10日の速記録)
 http://www.nsr.go.jp/kaiken/data/h26fy/20140910sokkiroku.pdf

○以下に、この日の各社記者の厳しい質問をピックアップして、各記者のあきれようをお伝えする。
☆産経・アマノ 審査書案が了承された後に火山に対する有識者を集めて検討会を開くというのが、どうにも外から見て泥縄式でしか見られないような受け止めをしているのです。
☆ロイター・ハマダ 巨大噴火を事前に予測できるとか、現在の科学の知見をねじ曲げて、これで審査書を出すということになると、後々の審査にも響くのではないでしょうか。それがいわゆる安全神話の復活になるということは言えないのでしょうか。
 これに対する田中委員長の発言が、「答える必要がありますか。なさそうだから、やめておきます。」
☆赤旗・ミウラ (火山について)「しばらく起こらないと確認したと言っている限りは、住民に誤解を与えると思います。
☆フリー・ヨコタ (安全性担保について)国民に誤ったイメージを与えているというご自覚、罪悪感はお持ちではないのでしょうか。
避難計画のチェックもないのに、コアキャッチャーもなしで、原発テロ対策が不十分だと泉田知事がおっしゃっている、そういう抜け穴だらけの基準が何で世界一レベルなのかよく分からないのですが。
☆NHK・モトキ 少なくとも国のどこかしらの機関が責任を持って避難計画の中身、充実度、妥当性などをチェックするような仕組みに変えていくべきではないかという考え方があると思う
☆毎日・シュドウ パブコメ1万7千を超えるが、実質はほとんど原案どおり。
(火山について)やはりルールを後付けしているという印象はすごく感じられるのですけれども。
☆共同通信・シズメ 原子力安全・保安院も同じことをずっと言っていたのです。それで、つまり新たな知見を得られたときにどうやって実際に反映するかという、そこのトリガーというか、そこの仕組みがなかったのではないかという指摘をしている人もいるのですが。
☆TBS・クロカワ 今の科学では噴火の可能性が小さい、低いと判断するのはやはり難しい、分からないとおっしゃるのですね。それでもあえて公の場で可能性が低いと判断されたという、明言されたという、その根拠は委員長はどうお考えになるのでしょうか。
 この会見を詳細に観れば、二人の「吉田」証言についての朝日新聞叩きと同様に、規制委員会がテレ朝の些細なミスを叩いて恫喝して、メディア全体を委縮させ真実の隠蔽を図っていることが分かる。各社が負けずに規制委批判報道を続けることを期待するが…。