原子力規制委員会は再稼働推進委員会!
その11  2014年7月

バックフィット可能な時代遅れの「新規制基準」を撤回せよ
規制委は設計段階に遡って原発の大改修や造り直しを求める規制を避けて「新規制基準」を作った
○規制委はまず「新規制基準」を撤回せよ。
 「新規制基準」は、骨子案や本基準案に対する多数の厳しい反対指摘意見があったにもかかわらず、規制委が強引に決定し昨年7月8日に施行した。イチエフ事故検証もせず特に地震による配管破断の有無も確認せず、原発立地指針を無視し、複数基立地・稼働を容認し、地震にも火山噴火にも大甘の基準だ。
 それは、「その10」で紹介した田中委員長の発言からも明らかだ。すなわち、規制委は設計段階に遡って原発の大改修や造り直しを求める規制を避けて「新規制基準」を作ったのだ。
○ そのことを牧野淳一郎さんが岩波「科学」3月号「3.11以後の科学リテラシーno.17」で証明しているので一部を紹介する。
・バックフィットが可能になるような基準(設計で考慮していなくてもあとづけで安全装置をつければいいことにします、という構造の基準)になっている。
・たとえば第64条(原子炉格納容器内の冷却等のための設備)として実際に要求されていることは「格納容器スプレイ代替注水設備を配備すること」だけ。
・新規制基準の根本的な問題は「受動的安全性」(単純な物理原理に基づいた安全機能を持つ特性)について触れさえしていないこと。
・東芝が中国で建設中のAP-1000炉は「受動的安全性」(30年前からある)の考え方を相当程度まで取り入れた。にもかかわらず、日本の「新規制基準」は、新規に建設する原子炉についてもそのような要求をしないものになっていて、極めて時代遅れな安全性の考え方による。
・「既存の原子炉も新規制基準に適合しなければいけない」という原則が、逆に、「新規制基準は既存の原子炉を適合させることができるものでなければならない」という要請にすりかわっている。
・しかも、単に適合させることができるだけでなく、あまりコストも時間もかけないでできることで、という暗黙の要請があり、根本的な改修を要求していない。
・新規制基準は既存の原子炉、少なくともその多くを、それほどのコストをかけない改修でパスさせることができるようなものになっており、効果がないわけではないにしても十分かどうかは疑わしいものです。
○ 規制委の設置目的である「国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全…に資する」ことよりも、既存原発の再稼働を優先させたのだ。どこが「世界最高レベル」だ? 「新規制基準」は「新危険基準」だ。「新規制基準」を撤回し、イチエフ事故検証をして「新規制基準」を作り直すべきだ。
○ 川内原発について「審査書(合格証)」案ができパブコメが募集されるが、既存原発を動かす為の「新規制基準」であることを確認して抗議意見を出さないといけないと思う。

☆7/16川内原発に「合格証」を出すな!規制委抗議行動第3波(全国行動)
 日時:7月16日(水)11時〜12時半  場所:原子力規制委員会前(東京・六本木ファーストビル)
 呼びかけ:再稼働阻止全国ネットワーク