経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その92 2018年9月19日
原発推進施策「エネルギー基本計画」がもたらす電力供給のひずみ〜九州電力も四国電力も再生エネルギーの出力制限、北海道電力が全戸停電の愚策〜
 本年5月21日に四国電力は「太陽光発電の普及拡大に伴う今春の需給への影響について」で「太陽光発電のみで電力需要の80%に達した」ことを発表した。
 四国エリア需要に対する太陽光発電割合最大日の需給バランス
太陽光発電の普及拡大により、本年5月5日における太陽光発電の最大出力は、12時〜13時の間に177万kWを記録し、当該時間の電力需要に占める割合は80%にまで達しました。当社では、火力電源の抑制や、揚水発電所の揚水運転、また連系線の活用により、需給バランスの維持を図り、電力の安定供給を確保しました。
 伊方3号機が司法により止められている中、原発が全く無くても再生エネルギーにより電気は十分に足りているのだ。にも拘らず、四電は今後太陽光発電の出力制限をするつもりだ。伊方原発の再稼働を目論んでいるから。
 九州電力でも本年5月3日昼には、太陽光発電が電力需要の81%に達し、自然エネルギー比率では最大96%に達した。にも拘わらず、九州電力は、既に種子島、甑島、沖永良部で出力制限をし、再生可能エネルギー発電事業者に対して一層の出力制限を予告している。
 一方、北海道では、9月6日の北海道胆振(いぶり)地方の深さ37kmを震源とするM6.7の地震が発生、最大震度は震度7(激震)。この地震により直後から全道で電力供給が止まり295万戸で停電した。何故全戸停電が起こったのだろうか? 古賀茂明さんによれば次が原因だ。
◆ 泊原発稼働後に電気が余ると困るので、経産省も電力会社が節電もネガワット取引も推進しなかった
◆ 泊原発稼働を前提にしているので、石狩湾新港発電所新設計画をゆっくりと推進。
◆ 日本の送配電技術の遅れ、中途半端な日本の発送電分離
 さらに、「電力も地産地消」で進めるべきということが今回の停電騒動の教訓だと私は思う。
 それにしても、九電も四電も北電も、原発を推進する経産省の施策の為に、再生エネルギーの伸びを抑え、大規模停電を起こしてしまった。「エネルギー基本計画」による間違った施策の悪影響がここにも現われている。
 なお、長期運転休止中の泊発電所でさえ、外部電源喪失となり使用済み核燃料を保管したプールを非常用電源で冷やさざるを得ない状況にあったことも忘れてはならない。電力を得る為に核分裂でお湯を沸かしたら、原発を止めた後も使用済み核燃料をプールで冷やし続けなければならず、冷却の為に(外部)電力が必要なのだ。原発とは本当に愚かな発電装置だ。