経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その85  2018年8月6日
再処理が不利との評価が既に1980年代後半から明らかだった
〜経産省・資源エネルギー庁はこのことも長年ずっと隠していた〜
 8月2日の院内集会「再処理の経済性を問う」で、トーマス・カントリーマン元米国務次官代理が、使用済み燃料の再処理を日本・フランス・ロシア以外が放棄したこと、日本の大量のプルトニウム保有が、安全・安全補償・不拡散で懸念となっていることを強調した。
 一方、私は鈴木達治郎さん(長崎大学核兵器廃絶研究センター)の次の話に驚いた。
◆ 核燃料サイクルの経済性評価は1970年代後半から実施されていたが1990年代後半ごろまで非公開。
◆ 1980年代後半にはすでに再処理が不利との評価がされ始めていた。
◆ 2005年、原子力委員会の「原子力政策大綱」において、初めて政府で核燃料サイクルの選択肢評価が実施され、経済性評価では、再処理が不利との結論が出たものの「政策変更コスト」を考慮することで、再処理路線の継続が決定した。自由化の中で、コストを電気料金に上乗せする「再処理基金制度」が設置された。
◆ 2012年、福島事故後の原子力委員会(検討小委)において、包括的な核燃料サイクル評価が行われ、経済性、核不拡散・セキュリティの面で、再処理が不利なことが明らかになったが、地元の反対などもあり、核燃料サイクル継続が決定した。
◆ 今一度、包括的な評価を第三者機関で実施すべきである。

 すなわち、1980年代後半からずっと直接処分よりも「再処理が不利」と評価されていたにも拘らず、ずっとそのことを「国民」に明らかにせず、方針変更もできないで来たのだ。
 おまけに、方針変更は、国にしても日本原燃にしても言い出した方が不利益を被るのでどこも言い出せない。国策民営で始めた事業の方針変更が、「政策変更コスト」まで持ち出して、簡単にはできないとは何とも情けない。
 いずれにしても、原発が安全・安い・無いと電気が足りない・クリーンなどの大嘘をつき続けてきた経産省は、1980年代から再処理の経済的不利を知りながら、それをずっと隠して間違った政策を続けてきたのだ、分離型プルトニウムを47トンも、使用済み核燃料内のプルトニウムを160トン以上も貯めこんでおいて。今も第5次「エネルギー基本計画」が示すように、経産省は嘘と偽りの政策を続けている!