経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その75   2018年6月6日

第5次「エネルギー基本計画(案)」は矛盾・倒錯した主張で合理的政策施行を妨げる
〜牧野淳一郎さん(科学リテラシー、岩波科学6月号)が指摘する事故の危険性アップ〜
 牧野淳一郎さん(神戸大学院理学研究科)が岩波科学6月号の連載「3.11以後の科学リテラシー」で「エネルギー基本計画(案)」が「発電コストをめぐって矛盾・倒錯した主張がなされている状況から、合理的な政策の施行が妨げられている」と分析しているので、一部を紹介する。
◆ 原子力は「重要なベースロード電源」と位置づけつつ依存度を低減していく従来の方針を維持し、新増設や建て替えには触れていない。
◆ 原子力発電は「優れた安定供給性と効率性を有しており」としながら、「原発依存度については、可能な限り低減させる」という方針は、事実認識から導かれる適切な政策とはいいがたい。原発が「優れた安定供給性と効率性を有して」いないということが(経産省の)事実認識であろう。
★ 経産省が原発の新設を話題にしたくないのは、そのコストがあまりに莫大であり、原子力発電の「効率性」というのは幻想であることが明らかになるからではないか。
★ 経産省は、原子力は安価と主張するなら新規建設は進めることはできない、という自縄自爆の状態にある。
★ 結果的に老朽原発の運転延長が無意味に続く危険な状況をもたらしている。
★ コストをかけないということが至上命令であるために、必要な安全対策も可能な限りとらない、という方向であれば必ず大事故につながる。
★ 太陽光発電について日本では将来も高いままだと主張する内容になっている。本来なら、海外並みに安価にする、という施策がとられるべきなのに。

 要するに「エネルギー基本計画(案)」は論理的に破綻しているばかりか、コスト優先で老朽原発を続けて使うという危険な選択を選んでいしているのだ。それゆえ、東海第二の運転延長問題があり、一方で日立の英国への原発輸出(新設)問題がある。
 今、第5次「エネルギー基本計画(案)」のパブコメ募集中(6月17日締切)で、多くの方が批判している。私も既に提出した。
 何としてもこのようなひどいエネ計で原発を推進することを止めたい。牧野さんの意見も参考に、多くの人が短文でも意見を提出していただきたい。
(パブコメ募集)第5次エネルギー基本計画策定に向けた御意見の募集について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620218009&Mode=0