経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その64  2018年4月3日

原発マネー(電源三法交付金、固定資産税、寄付金)に騙されるな
〜札束でひっぱたかれ続ける立地自治体の実態〜
札束と嘘で造られ稼働されてきた原発。
佐藤暁さんが岩波科学3月号「原子力発電所と地域経済(3)」で今も生きている「札束」の実態を示している。

○電源三法交付金
 電源三法(電源開発促進税法、特別会計に関する法律、発電用施設周辺地域整備法)のために、私たちは使用電力1kWhあたり0.375円の税金を払っていることになる。
 交付金を都道府県別(2014年)に見ると、多い順に、
福井235億円、青森154億円、新潟130億円、茨城93億円、福島84億円。
 福井県内(高浜、おおい、敦賀、美浜)には過去40年間に4700億円交付された。
 まずは、立地調査から建設中に短期間に多額を支給して誘致。商用運転に入ってからは、出力と稼働率と運転期間と使用済燃料とプルサーマル受入に比例してより多くの交付金を受け取ることができるそうだ。
○固定資産税
 建設費に0.7を乗じて定率法で償却資産とし税率1.4%として計算するが20年目からは定額のまま。
 2009年度の固定資産税額は、多い順に
松江市(117億)、柏崎市(92億)、敦賀市(84億)、東海村(82億)、御前崎市、薩摩川内市、志賀町、六ヶ所村、東通村、女川町、おおい町、玄海町、刈羽村(22億)、泊村(14億)と続く。
 20年目からは定額が払われているがそれをやめて償却資産額(少なくなる)とする動きに対して、2013年に全原協(全国原子力発電所所在市町村協議会)が、固定資産税収入を大幅に失わせる政策は到底容認できるのものではなりませんと要請書を出した。
 六ヶ所村再処理施設については、なんと、まだ稼働していないあるいは未完成の施設をあえて資産として認めてこれに固定資産税を課して、すでに2兆円近くも減価償却されたそうだ。
○寄付金
 昭和40年代から、国から立地自治体に支払われた総額は3兆1千億円。交付金が9150億円、税金が2兆円余り、寄付金が1640億円(2012年、NHK)。寄付金は、福井県に235億円、青森県財団に192億円余り、東通村に180億円、旧浜岡町に25億円、…が電力会社から寄付された。自治体では寄付とせずに「雑入」とされ、自治体の監査が全く機能していない。まるでマネー・ロンダリングのよう。
○原発マネーが自治体歳入額の過半
 原子力関連施設の立地市町村が受け取る電源三法交付金、固定資産税、寄付金の合計額は、自治体歳入額の過半を占める。例えば、2009年度決算によれば、
刈羽村75億円(73%)、東通村61億円(68%)、女川町(62%)、泊村(58%)、双葉町(56%)、大熊町(55%)、六ヶ所村(55%)、玄海町(53%)、高浜町41億円(52%)と、原発マネーのアドバンテージは絶大。

 数字が並んでうんざりかも知れないが、国と電力会社がひどい差配で大金を出し、自治体が札束でひっぱたかれている実態を見ることができる。
 詳しくは、同論文とそこに掲載された表(1〜10)をご覧いただきたい。
 政府も電力会社もこんなやり方をもう止めるべきだ。
以上