経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その50   2017年11月30日

<「核燃料はリサイクルできる」という神話>を信じるふりの経産省
〜院内ヒアリング集会で「核燃料サイクル」破綻を追及〜
 去る11月24日の院内ヒアリング集会「核燃料サイクル、日米原子力協定、エネルギー基本計画」で経産省(資源エネルギー庁)の「核燃料サイクル推進」方針を確認した。が、それらの実現性については、ほとんどまともに答えられなかった。
 日本は、未照射プルトニウムを約47トン(国内に10.8トン)保有しているばかりか、六ヶ所村と全国の原発立地に使用済み核燃料が約18000トンあり、使用済み燃料中にもプルトニウムが約163トンある。すべて、長年の原発稼働と再処理の核ゴミだ。
 集会では、核燃料とプルトニウムの現存量、使用済み核燃料の再処理の法的根拠、再処理についての過去の計画と実績、核燃料サイクルについての現在の計画と実現性、プルサーマル発電問題、六ヶ所村の再処理について尋ねた。
 経産省は、事業者に使用済み核燃料の再処理を強制し、プルサーマル発電を推進している、使用済みMOX燃料も再処理する、と回答した。ところが、核燃料サイクルの計画と実現とのかい離、再処理工場の当初計画と20回以上の延期を認めながら、今後の見通しや実現性については何ら明確に答えられなかった。もっぱら、六ヶ所村の再処理工場の竣工予定が2018年上期であると強調するだけだが、日本原燃の申し出でこの再処理施設の規制委審査が中断している。
 なお、高浜の1年間のプルサーマル発電によって分離型プルトニウムが48トンから47トンに減ったが、川内・伊方・高浜の再稼働によって使用済み燃料中のプルトニウムが161トンから163トンに増えていることを認めた。それでも、原発を稼働するばかりか、未照射プルトニウムを減ずる為に危険で高くつき事業者に何のメリットもないプルサーマル発電を推進するのだ。
 「核燃料サイクル」の破綻については、既に17年も前に高木仁三郎さんが<「核燃料はリサイクルできる」という神話>を書いている(「原子力神話からの解放」の第9章、講談社文庫)。この章の各節のタイトル<「絶望的なプルサーマル・MOX計画」、「言葉だけのリサイクル計画」、「リサイクルで放射能が増える!」、「再処理工場の周辺で増えている小児白血病」、「プルサーマル計画の実態はプルトニウム焼却計画」、「使用済み燃料をリサイクル燃料と呼ぶ愚」>が今でも全くそのとおりであるにも拘らず、経産省はこの神話を信じているふりをしている。
 「核燃料サイクル」に固執しながらの原発再稼働とプルサーマル発電を止めねばならない。
院内ヒアリング集会の動画は次で見られる。
https://www.youtube.com/watch?v=Of5E2zdkZic(20171124 UPLAN)