経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その47   2017年11月4日

使用済核燃料もプルトニウムも増え続けている中でプルサーマル活用を強いる世耕経産相
〜年に1回の「使用済燃料対策推進協議会」を開催して核燃問題を先延ばし〜
 去る10月24日に経産省が「使用済み燃料対策推進協議会(第3回)」を開催した。
http://ur0.link/GKyL

一昨年11月、昨年10月に次いで3回目の会合で、経産相・エネ庁長官らと電力会社各社社長が出席した。配付資料は次のとおり。
資料1 使用済燃料貯蔵対策への対応状況について(概要)
資料2 使用済燃料貯蔵対策への対応状況について
資料3 使用済燃料対策の強化へ向けた政府の取組について
資料4 事業者間で連携して取り組むべき事項
 経産省は「使用済燃料」と呼んで「核」を使いたくないらしい。

 次は議事要旨から。
世耕経産相:「原発の再稼働や廃炉への取組が進展する中、使用済燃料対策は電力事業者共通の大きな課題である」
事業者各社が核燃料関係の報告:九電はリラッキングの基準対応を検討中、日本原子力発電は乾式貯蔵を推進、東電がリサイクル備蓄センターの事業開始準備、四電が乾式貯蔵施設の具体的計画を今年度内に取りまとめ、関電が福井県外に中間貯蔵の立地に取り組む、などなど。

 最後に、経産相がプルサーマル発電を各電力会社に強要し、電事連が最大限取り組むと約束する。
経産相:国際的な理解を得ながら着実に核燃料サイクルを推進するためには、プルトニウムバランスの確保が重要となるため、安全最優先でのプルサーマルの早期かつ最大限の導入に、より一層取り組むこと。
勝野電事連会長:海外に保有するプルトニウムを含め、しっかりと消費するため、プルサーマル導入に向けて最大限取り組んでいく。

 もんじゅも核燃料サイクルも最終処分地調査も破綻し、高速炉研究開発も時間稼ぎ、年に1回のこの会合で使用済み核燃料問題・核燃料サイクル破綻問題を放置。その一方で原発再稼働とプルサーマル発電だけを推進する経産省。いつまで同じ過ちを続けるつもりなのか。
 プルサーマル発電の問題点は、核燃料を処理する工程が増えるため事故が発生する確率は相対的が高まる、使用済み防護服や廃水など低レベル廃棄物も含めた最終的な核廃棄物の総量はかえって増える、核燃料の高次化が進むため使用済みMOX燃料は毒性が高く再処理ができないなど、もともと危険な原子炉をさらに危険にするだけで灯油のストーブでガソリンを燃やすのと同じでとても危険なのだ。
 おまけに、ウラン資源の需給は安定しており再処理費までMOX燃料の製造コストの一部と看做すと経済的に引き合わない、つまりMOX燃料があまりに高価。
 それゆえ、各電力会社は本当はプルサーマル発電をやりたくない。
 それに対して、世耕大臣率いる経産省は危険で割の合わないプルサーマル発電を、見かけ上のプルトニウム保有量を減らすために、事業者に強要している。
 ここでも、経産省が亡国の省であることをしめしている。