経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その38  2017年7月20日

再稼働しながら最終処分場を探すな、ウンチしながらトイレを探すな!
〜核ゴミの「科学的特性マップ」を発表しても時間稼ぎをしているだけ〜
 世耕経産相が7月18日の記者会見で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場について、適性度合いを全国地図で示す「科学的特性マップ」を7月内にも公表する方針を明らかにした。「マップ提示は、最終処分の実現に向けた長い道のりの最初の一歩」、提示後は全国各地で説明会を開催する方針。

 地層処分は1976年から研究開発開始、2001年に幌延深地層研究センター、2002年に瑞浪超深地層研究所(岐阜県瑞浪市)の建設に着工し、地層処分や深部地下環境に関わる研究が実施されてきている。が、原子力発電環境整備機構(NUMO)設立(2000年)以来、未だに対象地域の調査にも入れないでいる中で、経産省が新たに仕切り直して「科学的有望地」を選定すると言って調査開始したところ、またまた昨年秋にとか昨年中とか昨年度(本年3月)中とか、延び延びになり、今回やっと「科学的特性マップ」を公表するらしい。
 核ゴミの最終処分については、日本学術会議が2012年9月に原子力委員会に回答し、地層処分を見直すべきと提言し、さらに「原子力政策の方針を決めた後に、高レベル放射性廃棄物問題の対処を考えるのではなく、高レベル放射性廃棄物問題を考慮事項に入れた上で、原子力政策について考えるべきである。」と主張した。
 
ところが、経産省・資源エネルギー庁はこれらの提言を無視して、2014年4月の「エネルギー基本計画」で原発推進を決め、再稼働しながら「核ゴミ」の最終処分を検討している。世耕経産相が「長い道のりの最初の一歩」と話したようにこの「核ゴミ」対策がうまく行くはずがない。もんじゅ廃炉とともに核燃料サイクルの破綻も明らかになった。例えが下品だが「トイレなきマンション」でウンチをしながら、ぼちぼちトイレを探しているようでは、どこの地域だって、どれだけ金を落とされても、周辺住民は容認しないであろう。
 おまけに、原発稼働が無くても電気は足りている(ウンチは我慢できる)。経産省・資源エネルギー庁は、まずはウンチを止め(再稼働を止め)てから、直接処分を含めて「核ゴミ」最終処分問題に真剣に取り組むべきだ。