経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その26   2017年3月17日

六ヶ所村「覚書」を履行せよ、六ヶ所村再処理工場稼働への世界の懸念
〜JapanPuPo2017国際会議が明らかにする再処理問題〜

去る2月23日、24日に開催された「日米原子力協力協定と日本のプルトニウム政策国際会議2017」(JapanPuPo2017、主催:原子力資料情報室)には経産省・資源エネルギー庁を招待したのに出席しなかったそうだ。
 さて、青森県と六ヶ所村と再処理機構NuROとで交わした次の「覚書」を皆さんはご存じでしょうか。
<青森県及び六ヶ所村並びに使用済燃料再処理機構は、下記のとおり覚書を締結する。
  記
 再処理事業の確実な実施が著しく困難となった場合には、青森県及び六ヶ所村並びに日本原燃株式会社が電気事業連合会の立会いのもと締結した覚書(平成10年7月29日締結)の趣旨を踏まえ、青森県及び六ヶ所村並びに使用済燃料再処理機構が協議の上、使用済燃料再処理機構は、使用済燃料の施設外への搬出を含め、速やかに必要かつ適切な措置を講ずるものとする。
 この覚書の成立を証するため、本書を3通作成し、3者が署名押印の上、各自1通を保有する。
 平成28年11月10日
  青森県青森市長島一丁目1番1号    青森県知事  三村申吾
  青森県上北郡六ヶ所村大字尾駮字野附475番地    六ヶ所村長  戸田衛
  青森県青森市堤町二丁目1番7号  使用済燃料再処理機構  理事長 井上茂>
 この「覚書」を履行すれば、多くの人に核燃料問題を真剣に考えさせ、再稼働どころでないことが明らかになるのではないか。同会議での再処理に関わる次の発言も「覚書」履行を薦めている。
★長谷川公一(東北大学)
 高速増殖炉もんじゅをを「廃炉の決定」に追い込むことができた。原発増設と高速増殖炉を前提とした核燃料サイクル路線は、いよいよ破綻が明らかになっている。
★ ロバート・ガルーナー(米国ジョージタウン大学)
 青森県六ケ所村の新しい再処理工場を稼働させるか、それはいつ頃か、の決定はおおきな、しかし批判的注目を集めそうだ。
★ 吉岡斉(九州大学)
 再処理が進まないまま国民負担がブラックホールに吸い込まれているような状態である。このペースでいけば32000トン(六ヶ所再処理工場の設備能力年間800トンに、想定寿命40年をかけた数字)を処理するのに204兆円を必要とする。この状態が続けば、再処理が進まぬまま積立金が枯渇し、新たな国民負担が求められる事態となる恐れが濃厚である。そうまでして得られるのは、わずかなウラン資源節約効果と廃棄物減容効果だけである。おまけに処分するのに厄介なプルトニウムを大量に生みだす。
★ カン・ジョンミン(米国天然資源防護協議会、ソウル大学)
日本は相変わらず2018年に六ヶ所村の再処理プラントを立ち上げる計画を進めている。同プラントからは新たに年間8トンのプルトニウムが分離・生産される。これは核セキュリティの観点からのみならず、最悪の場合、核拡散のリスク増大につながる。そうであれば、韓国が日本の再処理政策をどう見ているかはおのずから明らか。
★ キム・へジョン(原子力発電反対市民アクション)
(韓国で)「使用済み核燃料の再処理に反対する30km連帯」という機構が発足され、再処理に反対する活動が開始された。
★ グロリア・グァンロン・シュウ(台湾大学)
私たちがなすべきこと―情報および意思決定過程の透明性を要求、原子力がエネルギーの問題なのか安全保障の問題なのか明確にする、政府当局者に説明責任の履行を促す。