経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その20   2017年2月17日

日本学術会議の提言を無視して原発推進をする経産省
〜「原子力発電所の再稼働問題に対する判断は、…、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保及び暫定保管に関する計画の作成を条件とすべきである」〜


 資源エネルギー庁は地層処分の「科学的有望地」の発表を延ばし延ばしにしている。昨年春には「今年中に」、秋には「今年度中に」、そして今は「来年度」に、と。「科学的有望地」なる呼び名を変更するとか、あちこちで「地層処分意見交換会」や「地層処分セミナー」を開催しているが、うまく行っていない。私はその原因は「トイレなきマンション」でまだウンチ(とシッコ)を生産しようとしているからだと思う。
 日本学術会議がそのことを危惧して早くから、まずはトイレのことを論じることを提案している。
 2012年9月11日に原子力委員会に回答「高レベル放射性廃棄物の処分について」を提出した。私は、近藤駿介原子力委員長(現NUMO理事長)や鈴木達治郎委員長代理他に対して春日文子日本学術会議副会長が丁寧に回答を読み上げられる原子力委員会を傍聴して共感した。さらに日本学術会議は2015年4月24日に提言「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言―国民的合意形成に向けた暫定保管」を発表した。
 回答(2012年)では、「本提言は、原子力発電をめぐる大局的政策についての合意形成に十分取組まないまま高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定という個別的課題について合意形成を求めるのは、手続き的に逆転しており手順として適切でない、という判断に立脚している。」と前書きして、次の6つの提言をした。
(1)高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策の抜本的見直し
(2)科学・技術的能力の限界の認識と科学的自律性の確保
(3)暫定保管および総量管理を柱とした政策枠組みの再構築
(4)負担の公平性に対する説得力ある政策決定手続きの必要性
(5)討論の場の設置による多段階合意形成の手続きの必要性
(6)問題解決には長期的な粘り強い取組みが必要であることへの認識
 また、提言(2014年)では、(1)暫定保管の方法と期間、(2)事業者の発生責任と地域間負担の公平性、(3)将来世代への責任ある行動、(4)最終処分へ向けた立地候補地とリスク評価、(5)合意形成に向けた組織体制 の5つの項に分けて、12の提言をしている。

 ここでは(3)将来世代への責任ある行動 を紹介する。
提言6 原子力発電による高レベル放射性廃棄物の産出という不可逆的な行為を選択した現世代の将来世代に対する世代責任を真摯に反省し、暫定保管についての安全性の確保は言うまでもなく、その期間について不必要に引き延ばすことは避けるべきである。
提言7 原子力発電所の再稼働問題に対する判断は、安全性の確保と地元の了解だけでなく、新たに発生する高レベル放射性廃棄物の保管容量の確保及び暫定保管に関する計画の作成を条件とすべきである。暫定保管に関する計画をあいまいにしたままの再稼働は、将来世代に対する無責任を意味する。

 市民感覚で考えても当然であるこれらの提言を、経産省・資源エネルギー庁も原子力委員会も原子力規制委員会も関係省庁も安倍政権も無視して再稼働を推進しているのだ。
「トイレ」発見に誰も協力しないぞ?!