経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その198 2022年9月6日
「東電と共に脱原発をめざす会」への東電回答が示す経産省・東電の横暴
〜回答差し控え・法人の見解隠し・漁協への不誠実・事故対策費用倍増は東電見積もりでない?〜

 隔月で開催している「東電と共に脱原発をめざす会」の8月30日の記録を次に掲載した。
  http://www.jca.apc.org/~kimum/TEPCO220830.html
以下は、私の質問への東電の文書回答に対して会合で私が訴えたこと。

1 会社としても社員一人ひとりとしても「回答を差し控え」る東電
 Q12の、事故後の全般に渡る東電の不誠実な原発推進政策に対して、東電は法人としても会議参加の社員一人ひとりとしても全く答えない。
2 のど元過ぎれば熱さを忘れる!
 Q13で、近藤駿介氏の「福島第一原子力発電所の不足事態シナリオの素描」の受けとめを尋ねたところ、「3月25日時点では、4号機の使用済み燃料プールへの注水が行われ、燃料の冠水を維持できることを達成した後であり、災害規模の更なる拡大を防止していたと認識しております。」
 相変わらず事故を小さく見せ、終わったこととして、忘れ去ろうとしている東電。既に熱さを忘れている様だ。

3 軍事攻撃のリスクが存在するのに全く答えない東電
 Q14でウクライナに存在する原子力発電所の軍事攻撃のリスクについて尋ねたところ「軍事攻撃のリスクに対しては、外交上・防衛上の観点から対処されることであると認識しており、事業者がお答えする立場にありません。」と全く無責任。株主代表訴訟の東京地裁判決を忘れたのか?

4 日本原電への2200億円資金協力は、東海第二稼働が延びてもそのまま Q16で東海第二(日本原電)の為の資金的協力(購入予定電力への前払い)2200億円の回収を訴えたが、「総合的に確認して判断」と回収する意志は全く無し。原子力ムラ馴れ合いの生き残り策だ。

5 中長期ロードマップの見直しから逃げる東電
 Q18で中長期ロードマップの破綻を指摘したが、政府の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議にて見直しされるものと逃げる。「廃炉」を口実に放射能汚染水を海洋投棄する癖に経産省と結託して無責任。

6 婚約しておきながら浮気しまくる東電・経産省
 Q22,Q23などの回答に対して、漁協との文書約束があり今も「海洋放出」に反対しているのに、立坑・海底トンネルなどの工事を進めることは、例えが不適当かもしれないが「婚約しておきながら浮気しまくる」のと同じではないか?東電には全く誠意が無いのではないか?漁協が絶対ダメと言った場合の対応策(タンク保管など)を考えるべきではないか、と訴えた。 珍しく原子力センター長が、当社としては反対する皆さまに説明を尽くしている、と言い訳。私から、かって半世紀以上前の原発建設押付け時と同様に「嘘と札束と暴力」で押さえつけるのではないかと指摘。

7 ポータルサイトのタンク図の推移を見せない東電
 Q27で「海洋放出」するのであれば、今後30年、一千個のタンクがどの様に推移するのか示すことを促したが、不確かで無理と逃げる。やはり我々を誤魔化しているのだ。

8 イチエフ事故対策費用5兆円が22兆円に膨らんだ原因は東電の責任では無い?
 Q28の質問に東電は「当社が行った見積もりではない」と他人ごとの回答。東電と経産省の無責任はいつまで続くのか。

9 イチエフ事故原因追及も延ばし延ばし
 Q29で「福島原子力事故発生後の詳細な進展メカニズムに関する未確認・未解明事項の調査・検討結果」
取りまとめの予定を尋ねたところ、検討結果のまとめが遅れているとの回答。発表のタイミングを見計らっているのか。

10 東電は原子力を止めるべき
 Q33で東電<長期的な安定供給とカーボンニュートラルの両立に向けた事業構造変革について>
(2022年4月28日)で、原子力の文字が非常に少なく、原子力を止めてしまうことを促したが、未だに原子力が必要と答えた。 巨大な過酷事故を起こし、その収束も廃炉も汚染水対策もままならない東電が、いち早く脱原発に舵を切るべきなのだが、東電はなかなかそれを認めない。
以上