経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その196 2022年5月15日
当初予算を上回るコストで今後の見通しも不透明なイチエフ事故関連費用
〜当初5兆円がいつの間にか22兆円、さらに放射性廃棄物の処分費用数兆円〜
東電福島第一原発事故の関連費用が当初予定から4倍以上。新電力利用者を含む「国民」に負担を強いる経産省と東京電力。

 木野龍逸さん「原発事故の被害実態への中止継続を」(岩波科学5月号)が経産省と東京電力の事故後11年間の大嘘を指摘している。
〇本年4月5日に全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は萩生田経産相などと面談、「放出に断固反対」の立場を改めて示した。
〇オンサイトの事故処理作業が「中長期ロードマップ」の当初計画から大きく遅れる中、事故処理関連費用が当初予想を上回るコストになり、今後の見通しも不透明。
〇本年3月31日までに最高裁判所が集団訴訟7件で東電の上告を退け、東電賠償部分が確定。
確定した賠償額はいずれも原陪審(原子力損害賠償紛争審査会)の中間指針を上回っている。
訴訟弁護団や日本弁護士連合会が中間指針の見直しを求めている。
〇東電は本年4月1日時点ですでに10兆円以上の賠償を支払っている。賠償費用は当初5兆円、その後8兆円に膨らみ、2017年には新電力ユーザーにも負担の幅を広げ、最高裁決定が出た今、賠償額がさらに増える。
〇事故処理費用は、当初廃炉・汚染水費用を2兆円と見込んでいたが2016年に最大8兆円と予想。「廃炉」の定義が決まっていない中で見込み額に合理性が見えない。費用のたれ流しになる可能性。ロードマップの終期の変更がないのも不思議。
〇除染と廃棄物処理費用は、総額6兆円予想のうち4兆円が東電負担予定。原賠機構(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)が保有する東電株を売却して返済することになっているが、そのためには東電の株を1500円以上で売却しないといけない(現在約500円)。
〇経産省は、「廃炉」は「不可能ではない」と言うが、東電株1500円売却も「不可能ではない」?
〇賠償、廃炉、除染という主要分野すべてが当初予想を上回るコストになり、今後の見通しも不透明。
〇事故から11年が過ぎ避難指示区域の多くは解除されたが、費用面だけでも問題の多くは11年前と変わらずに残っている。事故の被害の総体は見えていない。
 
 また、PRESIDENT Onlineでも吉野実記者が次の記事を書いている。
当初は5兆円だったのに、いつの間にか22兆円に…原発事故の見通しがあまりに杜撰だった根本原因
福島第一原発事故の処理費を、経済産業省は「わざと間違えた」
https://president.jp/articles/-/55190
東京電力福島第一原発の除染や廃炉には一体いくらかかるのか。在京テレビ局記者の吉野実氏は「当初は5兆円とされていたが、いまでは22兆円に膨れ上がっている。しかも数兆円かかる放射性廃棄物の処分費用が含まれていない」という――。

 ふくしま作業員日誌54歳男性(東京新聞2022年5月13日)は次の様に結んでいる。
<昨年度は、被ばく線量上限ぎりぎりまで働いた。事故直後は年間50〜40mSvだったが、今は18〜16mSvで管理されているから厳しい。途中でイチエフ構内の仕事を外れ、最後にイチエフに戻り、残りの被ばく線量を使い切った。今やっている作業は先が見えない。また被ばく線量との闘いになる>
 被ばく労働者にも想いを寄せつつ、経産省・東電の大嘘を糾弾しないといけない。

以上