経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その186 2021年10月6日
放射能汚染水を海に流すな―追5  内水でなく領海に投棄(外務省)
〜「海底トンネル1キロ建設」点は「基線」の外 領海に「放出」ならロンドン条約違反では?
トリチウムや他の多核種放射能汚染水を海に流してはいけないことは、本シリーズで何度も書いた。にも拘らず経産省と東電は「海底トンネル1キロ建設」計画を発表し、本当に「海洋放出」と称して海洋投棄するつもりだ。新たな視点も加えて「海洋放出」に反対する。
その182で、下図に基づき、東電が言う「海洋放出」先(「海底トンネル1キロ建設」点)は、図の「基線」の内なのか外なのかを外務省に尋ねた。外務省国際協力局地球環境課は、担当が居ないと即答せず、折り返し回答の約束も守らない。
やっと本日(10月5日)同課に電話したところ、この件は国際原子力協力室に尋ねて欲しいとの回答。続いて、軍縮不拡散・科学部国際原子力協力室に電話したところヒビさんが、確認して今日中に回答するとの返事。夜の8時前に非通知電話で回答があった。<国土交通省によれば、「海洋放出」位置は基線(下図)の外、「放出」位置は「内水」でなく領海>
だと回答。以前の院内ヒアリング集会で確認した「内水」への放出は漁協などの反対もあって断念した模様。
「海洋放出」位置が「内水」でなく領海であることを確認するのに約一か月かかった。


         外務省のウェブサイトに記載された海域概念図

そうすると、30年も続けてトリチウムなどの放射性物質を「海洋放出」し続けることがロンドン条約違反ではないか?
ロンドン条約議定書の次の文が、東電の「海洋放出」が議定書が定める海洋投棄になることを示しているのではないか?
【ロンドン条約1996年の議定書から】
<第1条 定義4.1 「投棄」とは次のことをいう。4.1.1
廃棄物その他の物を船舶、航空機又はプラットフォームその他の人工海洋構築物から海洋へ故意に処分すること7 
「海洋」とは、国の内水を除くすべての海域並びにその海底及びその下をいい、陸上からのみ利用することのできる海底の下の貯蔵所を含まない。
第四条
1.1 締約国は、廃棄物その他の物(附属書1に規定するものを除く。)の投棄を禁止する。

 但し、上記附属書1に「投棄を検討することができる廃棄物その他の物」が記載されていて、
<31及び2の規定にかかわらず、国際原子力機関によって定義され、かつ、締約国によって採択される……>(計7行ほど)でIAEAが対象外にしてしまっているのだろうか。
確かに、最初に尋ねた国際協力局地球環境課はロンドン条約違反にはならないと回答したが、その理由はまだ確認していない。

以前の院内ヒアリング集会では「まだ具体的な放出方法が決まっていないので」と曖昧答弁を続けていた。外務省により具体的に追及する必要がある。
なお、追2(その181)でも明らかなように、放射能汚染水の海洋投棄はどの位置でも許されないにも拘らず、国際法が曖昧にしている。それでも、政府の対応は「利用することができる実行可能な最善の手段を用い」ていないのであるから国連海洋法条約違反でもある。外務省の国連海洋法法条約の担当にも尋ねないといけない。
続けて追及する。
以上