経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その161 2021年2月14日
次世代にツケを先送りしないため、原発を止め、「核のゴミ」は人間の目の届くところで!
〜小野有五さん<寿都町、神恵内村で明らかになった「核のゴミ」地層処分の問題点>〜
 地理学者小野有五さん(北海道大学名誉教授)の<寿都(スッツ)町、神恵内(カモエナイ)村で明らかになった「核のゴミ」地層処分の問題点>(岩波科学、1月号、14ページ半)がとても興味深い。経産省とNUMOが「核のゴミ」についてあまりにひどい対応をしていることを指摘するとともに、「核のゴミ」の処分について建設的な提言をしている。

 NUMOによる「核のゴミ」の地層処分事業の根本的な問題点を提示したい。
1 NUMOの「核のゴミ」地層処分事業の非公開性
 2017年以来「科学的特性マップ」を使いNUMOがやってきた「住民との対話」は、「NUMOの
主張をご理解いただく」ための形式だけの「対話」。
2 「説明会」での「説明」の問題点
○NUMO(Nuclear Waste Management Organization、原子力発電環境整備機構)は、原発を有する電力会社が100%出資してつくった組織で、政府機関ではない。
○都合のいいことしか伝えない海外の実情と、「責任論」の強調
○まったく「説明」されない低レベル放射性廃棄物の危険性
 ウランより原子番号の大きな放射性物質TRU(Trans-Uranium)も「地層処分相当低レベル放射性廃棄物」。処理が困難なTRUの地層処分が同時に行われることを隠蔽している。
○天然の「地下空間」と異なり「地層処分施設」はつねに地表と繋がっている長大なトンネル
 コンクリートは時間とともに劣化しひび割れる。鋼鉄製のオーバーパックは千年もたない。
3 「科学的特性マップ」の非科学性
○北海道胆振(イブリ)東部地震は、NUMOの「科学的特性マップ」の「適地」で起き、誰もが予測しなかったほどの大きな被害を与えた。
○寿都町と神恵内村の「適地」の危険性
4 では、どうすればいいのか?
○原発を可能な限り早く止める、ということこそ、次世代にツケを先送りしないために、真っ先に取り組むべき現世代の責任。
○日本学術会議は2012年に地層処分問題に関する意見書を政府に提出している。原則50年間は、人間に目のとどくところで乾式貯蔵などの暫定保管をすべきである、と。


 経産省は、4年前に新たに「科学的有望地」を選定すると言っていたけれどできず、予定変更して「科学的特性マップ」を公表した。ところがそれも全く信用できない。経産省は、NUMOとともに科学的知見を無視して地層処分をするそぶりをして、3.11東電福島原発事故以前と同様に原発の再稼働を進めている。安全性が全く担保されていないのに。
 「核のゴミ」問題から考えても、原発の稼働は絶対に許されない。

 なお、次のパンフレットもご参考に。
○パンフレット<知ってましたか? いま 地層処分しては いけない 8つの理由>
 「行動する市民科学者の会・北海道」(HACASE)(2020年11.11発行)
  (入手方法)千円のカンパで10部送ってもらえる(送料は会が負担)
  郵便振替 02760−4−49497(加入者名:行動する市民科学者の会・北海道)
○小野有五さんの講演https://www.youtube.com/watch?v=8rxqNf56sjs
以上