経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その156 2020年11月30日
不都合な真実を伝えない「東日本大震災・原子力災害伝承館」
〜伝承館は全国の原発立地PR館か? 大嘘「原子力明るい未来のエネルギー」をくり返すな〜
 本年9月20日に双葉町で開館した「東日本大震災・原子力災害伝承館」がひどいそうだ。
伝承館のHP(https://www.fipo.or.jp/lore/)のトップ画面には「あの日の教訓を、みらいの教訓に」とあり、経産省・復興庁・福島県とともに「福島イノベーション・コースト構想」、「福島ロボットテストフィールド」が掲げられている。
 その実態を「岩波科学11月号」から紹介する。

<語り部に「批判」禁じる原発事故「伝承館」〜不都合な真実伝えぬ「官僚伝承」に疑問>
 関根慎一(朝日新聞福島総局記者)
・「語り部活動マニュアル」には「特定の団体、個人又は他施設への批判・誹謗中傷」を「口演内容に含めないようお願いします」と書いてある
・事故の教訓を伝える目的を掲げる伝承館で、被災体験を口演する語り部が「批判」を禁じられている
・東電の責任について質問された場合は、語り部でなく同館の職員が代わりに答える
・事務局長ら3人は経産省からの出向組、彼らは取材に応じない

<不透明な目標、事実に沈黙する展示>木野龍逸(ジャーナリスト)
 伝承館の展示は次の内容に触れていない
・事故前の東電、政府の津波対策の経緯
・事故後のメルトダウン隠し、SPEEDIや汚染状況実測データ公表遅れ、避難の混乱
・東電による汚染水の海洋流出隠ぺい
・中長期ロードマップの工程遅れ
・増え続ける汚染水「海洋放出」議論
・ふくれあがる除染費用や損害賠償の現状と国民負担
・多数の損害賠償請求訴訟での東電や政府の対応や、不十分な賠償
・政府および国会事故調の報告書に関する情報

 沖縄戦の実相を伝えた語り部と異なり、福島では語り部に真実を語らせないそうだ。許されない。伝承館とその展示内容は、政府と東電の原発事故に対する姿勢がはっきりと表れている。まるで、原発立地各地に電力会社が立てたPR館とそっくりではないか?
 3.11事故前に双葉町に掲げていた「原子力明るい未来のエネルギー」の大嘘をこれからもつき続けるつもりなのか。
 私たちは、経産省や復興庁(政府)と東電と福島県が、税金を使いながら、不都合な真実を伝えず語り部にも語らせないことに抗議するとともに、この原子力ムラに県民も国民も騙されないように真実を伝えて行かねばならない。
以上