経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その136 2020年4月6日
原子力マネー還流問題で関西電力も経済産業省も「仲良く」「処分」〜隠れて役員報酬を補填していた関電、瑕疵付き業務改善命令を出した経産省〜
 関西電力の原子力マネー還流問題について、やっと3月14日(土)に関電第三者委員会が報告を公表した。これに伴う関電と経産省の対応が面白い。

3月14日(土) 
(第三者委員会)金品受取り問題に関する第三者委員会からの調査報告書の受領について
(関電)電気事業法第106条第3項に基づく報告について
 経営責任について
「経営刷新本部」の設置について
3月16日(月)
(経産省)関西電力株式会社に対する業務改善命令を発出

 ここまでは、第三者委も関電も経産省も新聞休刊日(16日)を狙った用意周到の原子力ムラ出来レースだ。
 ところが、驚くべき報道が出た。
3月16日(月)
<関電、カットした役員報酬を補填 秘密裏に計2.6億円>(朝日デジタル)
https://www.asahi.com/articles/ASN3J4SPZN3JPLFA004.html
<関西電力が2010年代の経営危機時にカットした役員の報酬の一部を、退任後に補?していたことが分かった。東京電力福島第一原発事故以降に福井県の原発が停止して大幅な赤字を出した際、「身を切る改革」として役員報酬の最大7割をカットしていたもの。当時、電気料金を値上げする際の理由の一つにもなっていたが、補?が秘密裏に行われていた。
 同社が16日、明らかにした。2016年7月〜19年10月、退職した役員18人に2億6千万円を支払った。補?は豊松秀己元副社長に90万円など月ごとの分割払いで行われ、役員らの金品受領問題が発覚してやめるまでに18人の報酬カット総額19億4千万円の1割超に達していた。
…>
 当然のことながら、これを多くのメディが厳しく叩いた。例えば、<役員報酬補填に違法性 関電利用者へ異様な背信行為 損害賠償責任問われる可能性」(東京新聞3月31日)と。また「関電の原発マネー不正還流を告発する会」が追加告発を開始した。

 それ故、関電は業務改善命令に対する回答でこの補填返還を含めた業務改善計画を出した。
3月30日(月)
(関電)電気事業法に基づく業務改善計画の提出について

 一方、大慌てで業務改善命令を出した経産省がミスをおかした。
<経産省、次官ら職員7人処分 関電改善命令へ不適切手続き>(時事ドットコム)
 経済産業省は31日、同省が関西電力に出した業務改善命令をめぐる手続きが不適切だったとして、関与した職員5人と安藤久佳事務次官、高橋泰三資源エネルギー庁長官の計7人を処分したと発表した。梶山弘志経産相は同日の閣議後の記者会見で「関電に法令順守の改善を求める中、不適切な手続きを行ったことは誠に遺憾でおわびする」と謝罪した。
…> (2020年03月31日、 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020033100640&g=eco)
 経産省のHPにも次の様に説明している。
○梶山経済産業大臣の閣議後記者会見の概要   2020年3月31日(火曜日)
https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2019/20200331001.html
○関西電力株式会社に対する業務改善命令に係る不適切な手続への対応について
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200331010/20200331010.html

 以上、第三者委員会の報告に応じて、関電トップと経産省とがこの問題の影響をなるべく小さくしようと大慌てで動いている姿が見える。ところが、これらの動きから、関電も経産省も全く信用できないことがより明らかになった。
 何としても、関電の原子力マネー還流と役員損失補填を厳しく追及しないといけない。それにしてもこんな会社に原発を動かす資格があるのだろうか? 経産省・資源エネルギー庁は関電に対して業務改善命令で終わるのでなく、電気事業法第15条(事業の許可の取消等)に基づき直ちに事業の許可を取消し、原発稼働停止を命令するべきだ。さらに、他電力会社についても同様の動きがあったかどうかを追及(水平展開)しないといけない。しかし、今の安倍政権下の経産省・資源エネルギー庁にこれらを期待するのは無理かもしれない。