経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その120 2019年7月13日
「国民」とかけ離れた委員を集めて原発を終わらせない資源エネルギー庁
〜総合資源エネルギー調査会基本政策分科会が明らかにする愚かなエネルギー政策策定〜
 7月1日に開催された総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(第29回会合)の議題は「昨今のエネルギーを巡る動向とエネルギー転換・脱炭素化に向けた政策の進捗」。
?資料と動画を観て驚いた。経産省・資源エネルギー庁が、日本の多くの「国民」の社会通念「原発止めろ」に反して、相変わらず原発推進政策を続けようとしている。組織を抱えた非常識な多数の委員に愚かな発言をさせて。
 https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/
 会は、エネ庁担当が「昨今のエネルギーを巡る動向とエネルギー転換・脱炭素化に向けた政策の進捗」をざっと説明した後、出席した次の17人の委員が数分ずつ意見を述べ、何の討論もせずに終わった。

出席者:基本政策分科会委員
榊原定征分科会長(東レ(株)社友、元社長・会長
秋元圭吾委員:(公財)地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー
伊藤麻美委員:日本電鍍工業(株)代表取締役
柏木孝夫委員:東京工業大学特命教授
橘川武郎委員:東京理科大学経営学研究科教授
崎田裕子委員:ジャーナリスト・環境カウンセラーNPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長
杉本達治委員:福井県知事
武田洋子委員:(株)三菱総合研究所 政策・経済研究センター長チーフエコノミスト
寺島実郎委員:(一財)日本総合研究所会長
豊田正和委員:(一財)日本エネルギー経済研究所理事長
中上英俊委員:(株)住環境計画研究所代表取締役会長
増田寛也委員:野村総合研究所顧問、東京大学公共政策大学院客員教授
松村敏弘委員:東京大学社会科学研究所教授
水本伸子委員:(株)IHI常務執行役員 高度情報マネジメント統括本部長
村上千里委員:(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会理事
山内弘隆委員:一橋大学大学院商学研究科教授
山口彰委員? :東京大学大学院工学系研究科教授

 驚いたのは、各委員が原子力推進に対する批判をほとんど述べなかったことだ。唯一村上千里委員だけが「原子力の社会的信頼というのは、皆様はどれぐらい回復されたと思っていらっしゃいますでしょうか。バックエンドの問題ですとかいろんな未解決な問題がある。それから、事故の処理に関して、もしくは安全性を高めることによってコストの増大も進んでいる。」と指摘しただけ。
 一方で、興味深いのは、杉本達治福井県知事が「原子力について40 年超をどう実現していくのか、電源三法の交付金についても完全撤去まで見通した交付のあり方を考えていただきたい。」と情けない発言をしたこと、原発推進の山口彰委員が「技術・人材をどう維持していくかというのは今非常に深刻な問題」と指摘したように推進側も弱っている状況が明らかになったことだ。
 いずれにしても、経産省・エネ庁の官僚たちが、組織を抱え原子力ロビーと結びついていて「国民」とかけ離れた意見を持つ委員たちを選んで、「国民」とかけ離れた意見を言わせて、「国民」とかけ離れた施策を推進していく、その実態を再確認させてくれるひどい会議であった。
 安倍政権・世耕経産大臣・経産省・資源エネルギー庁の横暴を止めねば。