経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき!
その3   2016年10月15日

東電福島第一原発の「石棺」隠しを指示する高木副大臣
〜県民に被ばくと帰還を強要するために「石棺」を封印〜

 3か月前の7月13日に原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)が「福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2016」を発表した。290ページに及ぶ報告書の中で「石棺」という言葉は1回だけ、「石棺」については、「困難」だと否定している。
 ところが、同日NHKが「廃炉計画で初めて「石棺」に言及」との見出しで報じたところ、「石棺狂想曲」とでも呼べるような騒ぎが起こった。
 避難指示の出ている自治体首長ら(大熊町長、双葉町長、浪江町長、南相馬市長、広野町長)から、石棺などということはあってはならない、県外処分が守られるよう、そうでなければ安心して帰還なんてできるはずがない、などの声が上がった。福島県危機管理部長も「さまざまな処分方法を検討することは否定しないが、県はデブリを取り出した上で県外で最終処分するよう求める」とコメント。
 そして、7月15日には内堀福島県知事が経産省高木陽介副大臣を訪ね、燃料デブリを取り出して県外処分することを強く求めた。高木副大臣は、「国として、「石棺」で処理するという考え方は一切ない。原子力損害賠償・廃炉等支援機構に、技術戦略プランの記述を書き直すよう指示した」と答えた(県HP)。それを受け、「福島第一原子力発電所の廃炉のための技術戦略プラン2016」から「石棺」の一文字が消えた。
 以上は木野龍逸≪「石棺」騒動に観る無責任の構造≫(岩波書店雑誌「科学9月号」)による。

 それにしても、この「石棺狂想曲」はおかしい。例えば小出裕章さんが福島第一原発は石棺で封じ込めるしかないと話しているように、メルトダウンした核-燃料を上からつまみ出す方法なんてないだろう。ましてや、それを県外に処分するなんて技術的にも住民同意を得るのも非常に困難であろう。
 結局、経産省は県知事や自治体首長とともに、イチエフ問題を隠し先延ばしし福島県民を騙して、「石棺」を隠蔽するばかりか帰還を強要しているのだ。
 放射能汚染水対策の「アンダーコントロール」や「ブロック」と同様に、経産省・資源エネルギー庁は大嘘をつき続けている。
以上