原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう!
その29   2020年4月12日
問題点だらけの宮崎・早野論文に新たな衝撃的な不正が発覚
〜「2014 3Q」のガラスバッジ測定データが人数・年齢分布ともに実際と異なる〜
宮崎・早野論文の不正については何度も書いてきたが、新たに驚くべき不正が明らかになった。大規模なガラスバッジ外部被ばく線量データが、二人が第一論文で示しているものと、実際の2014年第3期のデータとが、人数も年齢分布も違っているのだ。
 このことを牧野淳一郎さん「3.11以後の科学リテラシーno.88」(岩波科学4月号)が、OurPlanet-TVのWeb記事(http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2470)を参照して訴えている。
 福島県立医科大学の宮崎真講師と東京大学の早野龍五名誉教授が、2016年〜2017年にかけて国際的な科学誌に投稿した2つの論文において、住民に配布したガラズバッジが1万6千人だったにも拘らず、論文では2万一千人のデータが解析されていたのだ。
 OurPlanet-TVによれば、このことについて
「調査を行なった福島医大と宮崎氏は、OurPlanetTVに対し、伊達市の調査委員会で現在調査中のため、回答は控えたいとしたが、事実関係について否定しなかった。また早野氏に対しては、2月半ばから事実関係に関する答えを求めてきたが、28日までに回答がなかった。」


 宮崎・早野論文の問題点は、2019年2月に「原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!」その192、その193と、本シリーズその24(2019年11月)で、指摘してきた。伊達市の住民同意なしにガラスバッジ個人被曝線量データを使い、累積線量を3分の1に過小推定し、さらにその元データを捨ててしまった、などなどの不正により個人被曝線量を低く推定している。そして放射線審議会(原子力規制委員会内)が論文の明らかな間違いを知りながら、引用・参照して、県民に被曝を押しつけているのだ。
私たちは、このように、権威(東大、福島県立医大)を悪用して、間違った論文を国際的な科学誌に発表して、世界にイチエフ事故被曝影響を過少に見せる国際原子力ロビーたちの不正を許せない。IAEAやICRPなどの国際原子力ロビーや国内の電力会社のみならず、学者たちもが、このようにデータを不正に使って、間違った結論を導いている事実を見過ごしてはいけない。原発にまつわる多くのところでこの様な改竄・不正が行われているではないか。
 原子力ロビーたちに騙されてはいけない