原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう!
その28   2020年4月1日
トリチウム等放射能汚染水を海に流せと発破をかけたIAEA
〜イチエフ放射能汚染水の実害も「風評被害」も無視して経産省・東電を後押し〜
 一カ月前の2月27日、梶山弘志経済産業相と国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長とが経産省内で会談した。
 ニッポンドットコムは<梶山経産相:IAEAとの協力を重視=処理水処分で>と次の報道をした。(2020.02.27、https://www.nippon.com/ja/news/yjj2020022700944/)
<梶山弘志経済産業相が東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の処分について「国際社会に開かれた形で廃炉汚染水対策を進めていきたい」と語り、IAEAとの協力を重視していく考えを伝えた。
 これに対しグロッシ氏は、日本政府が海洋放出などの処分方法を検討していることを念頭に「国際慣行に合致しており、前向きに捉えている」と述べ、理解を示した。
経産省によると、実施する場合、放射性物質の放出に関するモニタリング支援などで協力の用意があることが伝えられたという。>

 明くる2月28日の梶山経済産業大臣が閣議後記者会見で次の発言。
<昨日IAEAのグロッシー事務局長とお会いをいたしました。事務局長からは、報告書の中で最終的に提言をされた二つの案は、これまでの国際的な慣行と合致するものであり、私は安心しているとの御発言がありました。
ALPS処理水の取扱いについては、スケジュールありきではなくて、地元を始めとした関係者の御意見を伺った上で結論を出してまいりますけれども、IAEAの協力を得つつ、検討を進めてまいりたいと思いますし、IAEAの方からも協力の申し出があったということでもあります。>
(https://www.meti.go.jp/speeches/kaiken/2019/20200228001.html)

 トリチウムが低濃度でも人間のリンパ球に染色体異常を起こすこと、ドイツ・カナダで健康被害が報告され実害があること、かつ周辺漁業者への影響が大であること、などは明らかである。また汚染水(ALPS処理水)には他核種の異常な告示濃度越えがある。それにも拘らず、国際原子力ロビーの雄たる国際原子力機関(IAEA)の後押しで、経産省・東電がトリチウム等放射能汚染水の海洋放出を押し進めようとしているのだ。

IAEAは、3.11直後から福島県に乗り出し、県の環境創造センター設立し、福島の被曝影響隠しをしている。以下は福島県のHPから。
【福島県環境創造センター】  https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/298/
○福島県とIAEAとの間の協力の概要
IAEA提案のプロジェクト(FCP)
@ 福島における環境回復
A 除染活動から生じた放射性廃棄物の管理
B 森林における放射性物質の長期モニタリングとその対策及び放射線モニタリングに関する支援
○福島県提案のプロジェクト(FIP)
@ モニタリングに基づく放射性セシウムの動態が水圏に与える影響の評価
A 野生動物における放射性核種の動態調査
B 陸水域における持続可能な放射性物質対策
C 放射性物質を含む廃棄物の適正な処理の検討
D 放射性核種の簡易・迅速な分析法の検討

 国際原子力ロビーIAEAによるあからさまな「放射線被曝の押付け」である。
以上